東京薬科大学薬学部薬品化学教室の林良雄教授と今野翔助教のグループは、群馬大学の神谷亘教授との共同研究で、2013年に開発した重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスの3CLプロテアーゼに対する阻害剤「YH-53」が、新型コロナウイルスの増殖を強く抑制することを確認した。複数の阻害剤が良好な抗ウイルス効果を示すことも確認した。
ウイルスプロテアーゼ阻害剤は、エイズやC型肝炎の治療薬として知られているが、新型コロナウイルスもメインプロテアーゼと呼ばれる3CLプロテアーゼを独自に持っている。感染細胞内でのウイルス増殖に不可欠なため、この酵素を標的とする選択的阻害剤は、明確な作用メカニズムに基づく新型コロナウイルス感染症治療薬の候補と考えられている。また、ウイルスの増殖抑制によって、新型コロナウイルス感染症の重症化を軽減できる可能性もある。
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