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新型インフルエンザ専門家会議
厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議は22日、発生時の感染拡大を防ぐための基本方針をまとめた。新型インフルエンザが発生する前から、国内でパンデミックが起こり小康状態に至るまでの発生状況を5段階に分け、それぞれの段階で柱となる対策を規定した。現行の行動計画はWHOの「フェーズ」ごとに分類されているが、国内の状況に応じた新分類を定めることで、よりきめ細やかな対応策をとれるようにする。基本方針は今後、現行の行動計画の見直しなどに反映される。
基本方針は、▽感染拡大を可能な限り抑制し、健康被害を最小限にとどめる▽社会・経済を破綻に至らせない――ことを主な目的として挙げた。新型インフルエンザが海外で発生した場合、「できる限りウイルスの国内侵入の時期を遅らせることが重要」としながら、ウイルスの国内侵入を完全に防ぐことは「ほぼ不可能」と指摘。それを前提とした対策の策定が必要になるとした。
発生段階に応じた対応に関しては、新型インフルエンザが未発生の「前段階」では、発生に備えた体制整備、国際的な連携下での発生の早期確認を目的とした対策を行う。新型インフルエンザが海外で発生したが、国内では未発生の「第1段階」では、ウイルスの国内侵入を可能な限り阻止するため、サーベイランスの強化やプレパンデミックワクチン接種の検討などの水際対策を行う。
国内で感染が確認された「第2段階」では、感染拡大をできるだけ抑えるため、接触者調査を行い、接触者は外出自粛とした上で、抗インフルエンザ薬の予防投与などを実施する。
感染が拡大し、国内で感染が蔓延している状態の「第3段階」では、健康被害、医療・社会機能への影響を最小限に抑えるため、予防投薬を縮小し、治療に重点を置く。感染者のうち、軽症者は原則自宅療養とし、重症者は原則全医療機関が受け入れ治療をする。小康期に入った「第4段階」では、社会機能の回復を図り、次の流行に備えた対策を実施する。
また、この日の会議では、流行時の身近な対策として、一般家庭などで「マスク」の使用を推奨することも決まった。市販されているマスクにはガーゼマスクと、病原体の侵入をより遮断する不織布マスクの2種類があるが、感染拡大を防ぐために不織布マスクの使用を推奨する。
新型インフルエンザの流行に備え、各家庭に1人当たり20025枚(約8週間分)のマスクを備蓄することが望ましいとしている。
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