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【変わりゆく医薬品情報提供~これからのMRのあり方】シミック・アッシュフィールド

2020年09月14日 (月)

リモートディテールに強み

 シミック・アッシュフィールドは、親会社であるシミックホールディングスと英アッシュフィールドの双方の強みを生かし、CSO事業を展開している。新型コロナウイルスの感染拡大を契機にリモートディテールの重要性が高まる中、同社は4年前からリモートディテールの業務受託を開始し、既にノウハウがあることから、製薬企業からの相談が急激に増加しているという。リモートMR人材サービスに加え、導入支援コンサルティングやトレーニングなど、顧客の様々なニーズに応えている。

 同社は、製薬企業や医療機器メーカーに対し、MRや看護師(ナースエデュケーター)などの人材サービスを提供している。また、近年ではメディカルアフェアーズ領域においてもメディカルサイエンスリエゾン(MSL)などの人材サービスや業務受託等、事業領域を拡大し、多角的にビジネスを展開している。シミックグループのCSO部門を発端とし、2014年に現在の形であるシミックとアッシュフィールドの合弁会社として事業を開始した。

 シミックグループが発表した20年9月期中間決算では、CSO事業の売上高は前年同期比16.5%増の43億円と二桁成長を達成し、合弁会社として事業を開始した14年と比べると約2倍の売上規模にまで成長した。

 他社との差別化が難しいCSOの中にあって、同社は内資系企業と外資系企業の2社を親会社に持ち、それぞれの強みを生かした情報提供支援サービスを提供している。

 シミックが長年培ってきた国内の事業基盤に、日本以上にCSOビジネスが普及している欧米で事業を手がけてきたアッシュフィールドのノウハウや顧客ネットワークが加わり、両社の相互補完を実現している。

木崎氏

木崎氏

 木崎弘社長は、「様々なニーズに対して柔軟に対応できることが、われわれの強みと考えている。新しいプロモーションモデルの支援にも対応し、顧客にフィージビリティスタディを積極的に提案している」と話す。

 昨今では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により医師と対面での情報提供が難しい中、リモートディテールに関する相談が多いという。同社は、4年前からリモートディテールの受託事業を開始しており、コールセンター24席を活用した営業支援ビジネスでノウハウを構築してきた。

 具体的な相談内容としては、予約システムのセットアップから、医師へのアプローチ資材作成、話法やアポイント取得、ロールプレイなどの基礎研修から応用トレーニングなど多岐にわたる。

 木崎氏は、「ビジネスを開始した当初は、今ほどの需要はなかったが、これまでの経験を生かすことができている。今後は対面とリモートディテーリングを医師のニーズに合わせて選択し、柔軟に使い分けるMRのスキルが求められる。リモートディテーリング事業を展開する中で蓄積したノウハウを生かし、現在社内の全MRに対して研修を実施しており、より価値の高い社員の育成をしていきたい」と語る。

 一方、同社は、顧客のニーズに応じて、複数の製薬企業の製品をシミック・アッシュフィールドのMRとして情報提供を行う「シンジケート・セールスフォース」を提案している。この情報提供形態は、国内では唯一同社が運用実績を持つ。顧客は、注力疾患領域以外の製品であってもコストを抑えてプロモーションを維持することができ、主力品に人的リソースを投入することができる。CMR1人につき、それぞれ異なる製薬企業の3製品を扱い、これらの製品で疾患領域が重なり競合することはない。アッシュフィールドが欧米で培ったノウハウを日本の市場環境に合わせて導入している。

シミック・アッシュフィールド
https://www.cmic-ashfield.com/



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