大規模施設の妥結率は低迷
厚生労働省は、日本医薬品卸業連合会の加盟各社に調査した、6月、7月末の医療機関と薬局への納入価格の妥結状況をまとめた。7月の妥結率は48・5%で、2006年の同月に比べ5・1ポイント伸びたが、まだ半分以下にとどまっている。特に200床以上の大手病院は29・4%と低く、20店舗以上のチェーン薬局では30・4%で、06年同月の8・5%に比べれば顕著に改善しているものの、依然として、納入量が多い病院や薬局を中心に妥結率が低い状況が明らかになった。
今回の妥結状況調査は、卸連加盟社62社を対象に実施され、全社から回答を得た。医療機関、薬局を対象に、6月と7月の各1カ月分の妥結分販売額を販売総額で割り、妥結率を算出した。
その結果、7月分の妥結状況は200床以上の大手病院は29・4%と低く、病院の総計も33・6%にとどまった。一方、診療所では78・2%と高い妥結率を示し、医療機関の総計では50・2%となった。薬局では、20店舗以上のチェーン薬局が30・4%、その他の薬局が51・1%、保険薬局の総計は46・8%となった。医療機関・薬局の合計では48・5%となっている。
7月の病院の状況を詳しく見ると、日赤(4・8%)、済生会(8・8%)、厚生連(3・4%)など、大規模な病院グループで低い傾向にあった。国立病院機構(99・8%)、国立大学法人(72・9%)、厚労省関連21病院(99・6%)など、国にかかわる病院では高い妥結率を示しているものの、都道府県(49・7%)、市町村(25・5%)、医療法人(33・6%)などでは、まだまだ妥結率は低い。
一方、6月の妥結状況では医療機関の総計が45・9%、保険薬局の総計が37・0%で、総合計では41・5%だった。200床以上の大手病院26・8%、20店舗以上のチェーン薬局が22・8%とやはり低い傾向が見られている。
厚労省医政局経済課では、「病院経営の悪化で、薬価コストを少しでも下げたいというのが妥結まで長くかかる要因と聞いている」とし、大病院や大手薬局ほど低い傾向は「扱う数量が大きく、値引きが利きやすいため交渉が長引く」と指摘した。薬価調査開始前の9月末に,妥結率を再度調査する予定だが、「一つの目安として、7割ぐらい妥結できれば関係者も納得するのではないか」としている。