◆米ギリアド・サイエンシズが米バイオ企業「イミュノメディクス」を約2兆円で買収すると発表した。新型コロナウイルス感染症の流行でM&Aが停滞気味だった製薬業界では今年最大級の買収案件。欲しかったのは、癌領域での抗体薬物複合体(ADC)だ
◆ADCは癌の薬物療法として古くから知られていたものの、抗癌剤としては開花しなかった。それが近年一気に技術発展を遂げ、癌に突進するギリアドは買収でCAR-T療法、さらにADCとモダリティを揃えた
◆ギリアドの買収は、ADCで先頭に立つ第一三共の戦略に自信を与えたかもしれない。多角化経営を捨て、癌に集中する戦略に急転換し、ADC技術に活路を求めた。抗癌剤「エンハーツ」は世界で販売し、英アストラゼネカと大型契約を締結。海外企業を後追いする企業が多い中、先見の明があった
◆米メルクもADCに強い米シアトル・ジェネティクスに出資し、ADCに熱視線を送る。癌の後発企業が世界のトレンドを先取りした希有な事例として覚えておきたい。
ADCに熱視線
2020年10月02日 (金)
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