第53回日本薬剤師会学術大会
分科会の見どころ・聞きどころ
座長
日本薬剤師会会長
山本信夫
北海道薬剤師会常務理事
山田武志
2040年を視野に、地域住民が住み慣れた地域で安心して医薬品を安全に使用することができる環境を整備するために、薬局が地域包括ケアシステムの中でどのような役割(機能)を発揮するのか。
15年に「患者のための薬局ビジョン」が厚生労働省から示された。これは「服薬情報の一元的継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導」「24時間・在宅対応」「医療機関等との連携」の三つの項目を軸にした薬局・薬剤師への提言であった。
日本薬剤師会においても同時期に、地域医療のなかで薬局のあるべき姿を模索しながら「薬剤師の将来ビジョン」を13年に発出したところである。
その後、厚生科学審議会(医薬品医療機器制度部会)において10回にわたる検討会を経て、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の改正法が成立し、19年12月4日に公布された。
薬局・薬剤師にとって大きな変換点になるであろう新しい法律の施行のこの時点で改めて地域住民のために薬局・薬剤師は何を成すべきかをこの分科会で考えてみたい。
今回、基調講演で厚生労働省大臣官房審議官の山本史氏に「改正薬事法への思いと薬剤師・薬局への期待」について講演いただく。続いて、急性医療から在宅療養まで地域医療に携わる医療機関の医師として、北海道医師会副会長の藤原秀俊氏に「医師から見た地域医療の現状と課題(仮)」について、また、保健事業や医療費適正化などの保険者機能や医療保険制度の充実・強化に向けた活動を行っている立場から、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏には「保険者・患者の視点から見た薬局機能と薬剤師業務への期待(仮)」と題して講演いただく。
日本薬剤師会からは副会長の田尻泰典が今年9月から来年3月にかけ順次施行される「薬機法改正を踏まえた地域医療における薬局のこれから」と題し講演する。
国民から薬局・薬剤師がどのように評価されているか、国民に対し、薬局・薬剤師が既存の殻を破り変われるか。今回の法改正を機に成すべきことを考え、行動を起こしていただきたい。
(日薬副会長・田尻泰典)