第53回日本薬剤師会学術大会
話題の調剤支援システム
4月の三菱電機子会社の情報システム・サービス事業再編により、同社が提供する保険薬局向けシステムは三菱電機ITソリューションズ(MDSOL)の「調剤Melphin/DUO」として生まれ変わった。
同社は過去35年以上にわたって薬局向けシステムの開発や販売を手がけており、調剤Melphin/DUOシリーズは、処方箋受付から服薬指導まで保険薬局の業務を幅広くカバー。さらに、オプションシステムの組み合わせによって、保険薬局に特化したセミセルフ型も可能なPOSシステムと連動する機能や、在庫管理・経営管理といった経営面までトータルに支援する機能を備えている。
厚生労働省が策定した「患者のための薬局ビジョン」で、「門前からかかりつけ、そして地域へ」という指針が掲げられて以降、薬局はこれまでの対物業務中心から、服薬支援などの対人業務へと転換するよう求められてきた。
また、改正薬機法の施行に向け「対人業務」に対応するための準備を加速させる必要がある。さらにコロナ禍の背景もあり、薬局・薬剤師もニューノーマル時代、さらにその先に向けた環境の変化に直面している。
今回、同社ブースでは“ニューノーマル薬局”、その先を意識した機能が紹介される。調剤Melphin/DUOは、処方薬・患者属性に応じたフォローアップ、処方薬に対する患者の副作用発現リスク等の確認、処方薬・患者属性に応じた服薬指導ガイドから簡単に服薬指導・薬歴作成、患者によるセルフレジ機能など豊富な機能で薬局業務をトータルに支援する。
これまで調剤Melphin/DUOは、服用期間中のフォローアップ機能、処方薬に対する患者の副作用発現リスク等の確認機能など、現場のニーズにいち早く対応してきたが、今回服薬指導・薬歴作成を効率化するため、処方薬・患者属性に応じた服薬指導内容の抽出、服薬指導内容から薬歴作成までを一体化させることでさらなる機能の充実を図る。
また、薬局向け「オンライン服薬指導」として展開しているかかりつけ薬局化支援サービス「kakari」(メドピア)を同社ブースで展示する。MDSOLでは服用期間中の患者フォローアップ機能を他社に先駆けて調剤Melphin/DUOに実装しており、継続フォローの対象患者を抽出し、フォロー結果を薬歴に記録する機能に強みを持っている。
8月には、両社が業務提携することを発表した。メドピアは患者へのオンラインによる服薬指導・フォロー機能で強みを持っており、調剤Melphin/DUOと「kakari」のシステム連携を強化していくことで、服薬フォローなどの薬局・薬剤師が新たに求められる患者とのコミュニケーションを円滑にサポートしていきたい考えだ。
同社はニューノーマル、その先の薬局を見据えて、今後も製品やサービスの充実を図っていく。