厚生労働省医政局総務課と医薬食品局安全対策課は、インスリン自己注射のペン型注射器が、大阪市内の病院で複数の患者に使い回されていたことを受け、都道府県などを通じ、医療機関にインスリン注射器の適切な使用を求める通知を3日付で出した。
使い回しは、9月に行った大阪市保健所の立ち入り調査で分かった。少なくとも過去5年間で延べ63人の入院患者に対し、使い回しを行っていた可能性があるという。
問題となったペン型インスリン注射器は、本体部分にインスリンが入っており、1回ごとに針を交換する仕組みになっている。本来、個人専用として使う器具で、使用時に血液がカートリッジ内に逆流した場合、感染症の危険性があるため、複数の患者に使用しないよう添付文書に記載している。
そこで厚労省は、医療安全に万全を期すため、添付文書による使用方法の再確認を行うなど、医療機関に対して改めて器具の適正使用を周知徹底すると共に、同器具を複数の患者に使用した場合、保健所に届け出るなどの対応をとることを求めた。
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