中外製薬プロジェクト・ライフサイクルマネジメントユニット科学技術情報部長の石井暢也氏は2日、都内で開いたデジタル戦略説明会で、承認申請に向けたリアルワールドデータ(RWD)の活用について、ROS1融合遺伝子陽性の肺癌治療薬「エヌトレクチニブ」の申請資料にRWDを参考資料として追加し、規制当局と議論した経験を紹介。「日本でも承認申請レベルの品質のRWDを収集できるエコシステムの構築が必要」との考えを示した。
同社は、デジタルを活用した新薬開発プロセスの革新に向けた一環として、RWDとそれをもとにしたリアルワールドエビデンス(RWE)の活用を位置づけている。石井氏は、新薬承認申請に活用できる品質の「レギュラトリーグレードRWD」が注目されているとし、「従来必要とされたランダム化試験の規模を縮小したり、スキップすることで承認申請を早め、患者により早く薬を届けることが可能になる」と期待感を示した。
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