日本薬剤師会行政薬剤師部会による「都道府県におけるジェネリック医薬品の実態等に係る調査」結果がまとまった。後発医薬品について、進めるべきとの意識をほとんどの都道府県が持っているものの、意識調査など具体的な促進策を実施している県は2割程度と低かった。協議会設置は、6都道府県が設置し、31都道府県が検討しているものの、10都道府県では設置していなかった。
日薬行政薬剤師部会では毎年調査を実施しているが、後発品に関する調査は06年度に続いて今回が2回目。今回調査は47都道府県薬務主管課を対象として、今年8月に実施されたもの(回収率100%)。
後発品の普及促進に対する考え方では、「大いに進めるべき」(2%)と「進めるべき」(68%)で、合わせて70%の都道府県が普及促進を図るべきと回答した。前回調査と比較すると、10ポイント増加していた。普及促進に「反対」と回答した都道府県はなく、「その他」が30%を占めた。内訳は、「現状の実態把握や安定供給・品質確保等に関する課題解決が優先」などとする意見が主だった。
後発品に関する問い合わせがあったのは、24都道府県(51%)で、問い合わせ件数は計83件だった。県民からの問い合わせ内容は「後発品とは何か」「なぜ後発品を勧めるのか」「どうすれば使えるようになるのか」など。医療機関や薬局への苦情としては「後発品を希望したのに医療機関で処方、薬局で変更してもらえなかった」「変更可の処方せんなのに薬局で後発品の説明がなかった」「変更を希望していないのに説明がなく変更された」などだった。
議会において後発品に関する質問があったのは19都道府県(40%)で、前回調査と同数だった。内容は「使用状況」や「普及促進に向けた課題」など、総じて後発品の普及促進に向けた質問だった。
後発品の使用促進に関する、関係者の協議会・検討会が「設置済」なのは6都道府県(13%)、「設置を予定または検討中」が31都道府県(66%)だった。「設置していない」都道府県は10都道府県(21%)あった。
「設置済」「設置予定・検討中」を合わせた37都道府県のうち、国からの委託事業(08年度後発医薬品安心使用促進事業)に伴うものと回答があった都道府県は34都道府県(92%)、都道府県の独自事業によるものとの回答は2都道府県、その他が1都道府県だった。
後発品促進策については、県民や医療関係者の意見を調査したことが「ある」のは9都道府県(19%)にとどまった。調査以外の促進策を「実施している」のは2都道府県(4%)、「検討している」のが10都道府県(21%)だった。主な促進策としては「啓発事業」が最多で、ポスターやリーフレット作成、講習会・検討会などを行っている。
医療機関における後発品使用状況では、医療機関や薬局に対して使用状況に関するアンケートを行ったことが「ある」のは12都道府県(26%)、「計画中」が12都道府県(26%)だった。管内の病院の後発品採用率は「把握していない」が29都道府県(61%)と多かった。この結果は前回調査とほとんど変わっていなかった。同じく後発品変更可となる処方せん発行状況は、「把握していない」が43都道府県(92%)とほとんどであった。