中央社会保険医療協議会は22日の総会で、抗癌剤「塩酸イリノテカン」の副作用が発現しやすい患者を予測し、投与量を予め調節できるようにする「UDPグルクロン酸転移酵素遺伝子多型」など、臨床検査3項目の保険適用を了承した。11月1日から保険適用される。
UDPグルクロン酸転移酵素遺伝子多型(申請者は積水メディカル)
UDPグルクロン酸転移酵素活性が低下している患者では、白血球減少や下痢などイリノテカンによる重篤な副作用の発現率が高くなる。この酵素の遺伝子多型を判定することで、酵素活性が減少している患者を鑑別することができ、安全で効率的な抗癌剤治療が可能になると期待される。測定方法はインベーダー法。保険点数は2000点。検体検査判断料、血液学的検査判断料(月1回につき125点)が算定できる。E3区分(測定項目が新しい)
サイトケラチン(CK)19mRNA(シスメックス)
同製品は、乳癌の手術を行う際、乳癌リンパ節転移マーカーであるサイトケラチン(CK)19のmRNAを測定することで、病理診断と同等の精度でリンパ節転移の有無を迅速に診断でき、手術前にリンパ節郭清が必要かどうかの判断ができる。測定方法はOSNA法。保険点数は2000点。検体検査判断料、血液学的検査判断料(月1回につき125点)が算定できる。E3区分。
1・25ジヒドロキシビタミンD3(申請者医学生物学研究所)
血清または血漿中の1・25ジヒドロキシビタミンD3を測定し、慢性腎不全や特発性副甲状腺機能低下症、ビタミンD依存症I型などの診断を行う。測定方法がELISA法であり、より多くの施設で検査が可能になるなどのメリットがある。保険点数は400点。検体検査判断料、化学的検査(I)判断料(月1回につき144点)が算定できる。E2区分(測定方法が新しい)