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【2021年年頭所感】地域医療連携へ職能を発揮‐NPhA会長

2021年01月12日 (火)

日本保険薬局協会会長 首藤正一

首藤正一氏

 2021年の新春を迎えるに当たり、所感の一端を申し述べ、新年のごあいさつに代えさせていただきます。

 昨年を振り返ると、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、世界中が翻弄された1年となりました。日本経済を活性化させ、世界に日本の存在を大きくアピールできる機会として期待されていた「東京オリンピック・パラリンピック」も開催が延期となり、他の大きなイベントもことごとく中止または延期を余儀なくされる中、働き方や教育も含めた生活様式が大きく変わってきました。

 われわれの事業も日本薬局学会との共催で11月に横浜での開催を予定していた第14回日本薬局学会学術総会を中止とし、ファーマシーセミナープレミアムと名前を変えてオンラインで開催させていただきました。厚生労働省をはじめとした各界の皆様のご協力のおかげで2533人もの参加があり、新しい取り組みを無事成功させることができました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。

 さて、当業界におきましては、昨年4月に調剤報酬の改定が行われ、9月には改正医薬品医療機器等法が施行されました。本年8月、来年12月には残る部分の施行が予定されています。15年10月に厚労省が策定した「患者のための薬局ビジョン」では、薬局を立地から機能へ、そして薬剤師はかかりつけ薬剤師としての役割の発揮に向けて「対物業務から対人業務へ」と謳われています。調剤報酬改定では調剤料の引き下げが行われた一方で、重複投薬の防止を目的とした「服用薬剤調整支援料2」や医療機関と連携し、外来癌化学療法に対応する「特定薬剤管理指導加算2」等が新設され、この流れを後押ししています。

 さらに、改正薬機法では薬局を機能別に分類する「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の認定も盛り込まれています。当協会では昨年に、「地域医療における継続的な薬学的管理イメージ」を作成し、公開しました。その中には、医師の処方から始まり、疑義照会、服薬情報の一元管理、入退院時の連携、ポリファーマシーへの介入、服薬期間中フォローアップが盛り込まれ、治療の流れの中でこれらの業務に薬局薬剤師が職能を発揮し、参画することで治療効果の最大化と医療費の抑制に貢献できるのではないかと考えています。10月には、「地域医療連携の手引き」(薬局版)も作成し、公表しました。

 薬局が各地域で必要とされる地域包括ケアシステムの一翼を担い、国民の健康をサポートできるよう当協会としてもこれらの活動を通して全力で取り組んでいきます。



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