日本医薬品登録販売者協会会長 樋口俊一
新年明けましておめでとうございます。昨年は新型コロナウイルスが世界中に猛威を振るい、多くの分野で価値観を一変させる出来事が起こりました。オンライン診療・服薬指導もその一つであり、政府は昨年4月10日に発出した時限的・特例的なルールの恒常化を進めています。
さらに、昨年10月21日の規制改革会議のワーキンググループでは、登録販売者不要論が再燃し、今年4月から店舗販売業における営業時間の半分以上はOTC薬を販売しなければならないという「2分の1ルール」の見直しが行われる予定です。それに伴い、コンビニエンス等によるテレビ電話によるOTC薬販売のあり方が大きく見直される可能性が出てきました。
いずれも登録販売者にとっては予断を許さない深刻な問題であり、早急にオール登録販売者で戦っていかなければなりません。
一方で、団塊世代全員が後期高齢者になる2025年問題を前にして、政府は現行の医療保険制度の「給付と負担」の大幅な見直しを精力的に進め、22年度から段階的に実施を図る方向で進んでいます。
その中でセルフメディケーションの適正な推進も盛り込まれ、これまで低迷していたOTC薬の普及を図るために、一定の薬剤についてはOTC購入者に対して保険者から1000円のヘルスケアポイントを付与するなどの提案も昨年末、厚生労働省から発表されました。
まさに今年は、社会保障制度改革の真っ只中の年に当たり、13年に公表された社会保障制度改革国民会議の報告書に示された「1970年代モデル」から「21世紀(2025年)日本モデル」に向けた転換期に当たります。
日本医薬品登録販売者協会も、その大きな転換期の中で登録販売者がセルフメディケーションの受け皿になり、新たな職域を拡大するためにこれまでの定款を改正し、国会、行政、自治体等に向けた政策提言、ロビー活動などを行えるよう組織の見直しを図りました。
今年4月からは一部、OTC薬販売の規制緩和が実施されると取り沙汰される中で、登録販売者不要論を断固として阻止するために戦っていきます。そのために日登協のオール登録販売者の組織化が求められます。
会員拡大に向け、日本チェーンドラッグストア協会はもちろん、登録販売者が従事する関係団体と連携して組織拡大を図っていきます。