「THE薬学的管理」(2016年10月発行:第1刷、第2刷)について、下記追加情報を掲載いたします。
p.224
Case 29ミニレク
鉄欠乏性貧血に対する治療
◆頁末尾に以下の文章を追記。
※鉄剤とビタミンCの併用について
自然界では、鉄は二価鉄と三価鉄の状態で存在し、一般に体内へ取り込まれる際には二価鉄の状態が良いとされている。また、鉄の吸収部位である腸管内はアルカリ性のため、還元剤として作用するアスコルビン酸(ビタミンC)が、鉄の吸収率を上昇させる可能性があるとされている。この原則に基づき、ビタミンCは食事や医薬品からの「鉄」の吸収を改善するのではないかと期待され、従来からしばしば併用されてきている。
しかし、鉄剤のフェロミアはすでに二価鉄で、アルカリ性条件下でも安定化しているため、シナール(アスコルビン酸・パントテン酸)と併用しても貧血改善効果は得られないとの報告や、併用を推奨しない意見も見受けられる。