大手医薬品卸の2021年3月期決算は、各社とも減収二桁減益の結果となった。業績低迷の主な要因としては、新型コロナウイルス感染症の拡大による医療の逼迫を起因とする通常医療の受診抑制が挙げられている。コロナ禍以前から、日本では目標を設定した後発品の普及、毎年の薬価改正など医療費・薬剤費抑制の流れは既に始まっており、医薬品卸は従来の医薬品卸売ビジネスモデルの枠を超えた様々な事業を立ち上げ、新たな収益の柱にしようと展開している。特に、スペシャリティ薬や再生医療等製品の流通、IT・DXの加速などに注力している。
また、大手医薬品卸4社においては、独占禁止法違反事案に関連してガバナンスとコンプライアンスの重視を最優先課題に据え、医療・医薬関係者のみならず社会全体の信頼を取り戻すべく鋭意取り組んでいるところである。告訴された3社では入札停止等による影響も出てくると予想される。
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