第54回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会理事
一條宏
福岡市薬剤師会常務理事
満生清士
医薬品が安定供給されることは医療の根本であり、国民が安全・安心に健康的に暮らすためには不可欠である。昨今、医薬品の製造におけるGMP、GQP違反による業務停止命令、自主回収等により後発医薬品市場が混乱を招き、医療現場に大きな影響をもたらす事態等が起きている。本分科会では医薬品の安定供給について、専門的な立場から現状や課題、取り組み等について講演していただき、医薬品の安全性確保と安定供給に対する議論をより深めていただく。
基調講演は日本薬剤師会の安部好弘副会長より「医薬品の安全確保・安定供給」について、2020年9月に開催された「医療用医薬品の安定確保に関する関係者会議」においての議論の取りまとめや、新しい概念「安定確保医薬品」の社会的位置づけへの理解、近年の現状、制度的な問題点、医薬品のシームレスな医療供給のための様々な施策構築の必要性などについて講演していただく。
次に青山学院大学の三村優美子名誉教授からは「医薬品の安定供給と流通機能の高度化」について医薬品流通を取り巻く変化や抱える問題点と今後どのような流通機能や仕組みづくりが必要なのかなど、新しい流通問題への課題と取引制度改革の必要性について講演していただく。
日本製薬団体連合会品質委員会の大久保恒夫委員長からは「医薬品の安定供給について」日本製薬団体連合会および製薬企業が医薬品の安定供給確保をするために行っている組織づくりや情報提供、ガイドライン等の作成など様々な取り組み等について講演していただく。
最後に日本医薬品卸売業連合会の一條武副会長からは「医薬品安定供給における医薬品卸の現状と役割」として、日本における医薬品の多品種少量生産の弱点による出荷調整など、医薬品の流通の現状と問題点、サステナビリティの強化、医薬品卸の新たな社会的価値観の創出に向けてビジョンの策定など取り組みについて講演していただく。
(満生清士)