第54回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会副会長
安部好弘
福岡県薬剤師会副会長
高木淳一
2006年から薬学6年制がスタートし、15年が経過した。6年制課程では、将来どのような分野に進んだ場合にも共通して必要となる、薬剤師としての基本的な資質と能力を養成するべきであり、その上で、生涯にわたって常に研鑽し、社会に貢献することが求められる。
本分科会では、文部科学省高等教育局医学教育課と厚生労働省医薬・生活衛生局総務課担当官から講演いただく。今後求められる薬剤師としての資質について、薬学教育の中で薬剤師が果たすべき役割や国民から必要とされる薬剤師にはどのようなことが求められるか、国の立場から示してもらえるのではないか。
その後、日本薬剤師会の高松登常務理事から「薬局薬剤師の生涯学習の展望」と題し、薬剤師会が進めている「研修シラバス」に基づく研修会の開催が、生涯学習に取り組んでいる薬剤師の資質や専門性の向上に寄与していることについてお話しいただく。名古屋大学医学部付属病院薬剤部の山田清文教授・薬剤部長から「薬剤師の卒後研修」と題し、「薬剤師の卒後研修カリキュラムの調査研究」結果を紹介。薬剤師の卒後研修の方向性について講演いただく。
京都大学医学部付属病院薬剤部の寺田智祐教授・薬剤部長から「日本医療薬学会における地域薬学ケア専門薬剤師制度の構築と運用」と題し、講演いただく。
薬剤師として当然必要な生涯学習、卒後研修、今年度から始まった地域薬学ケア専門薬剤師制度についても、皆さんと様々な意見を通して議論できれば有り難い。
この分科会を通して、皆さんが取り組むべき薬剤師の養成から専門性の確立に至る過程の中で、薬剤師法第一条の定めにある国民に対する薬剤師の任務をしっかりと担い、将来にわたって地域の保険・医療を守り、社会に貢献する薬剤師を目指して生涯学習に取り組んでいかなければいけないことを伝えることができれば幸いである。
(高木淳一)