第54回日本薬剤師会学術大会
藤野 哲朗先生の横顔

このたび、藤野哲朗先生が2021年度日本薬剤師会賞を受賞されましたことを心よりお祝い申し上げます。
藤野先生は1996年から当会の理事を6年、常務理事4年、副会長6年、会長5年という長きにわたって重責を担われ、当会はもとより地区薬剤師会の健全な発展に大きな役割を果たされました。
一昨年の薬機法改正においては、新たな認定薬局の創設をはじめ、薬剤師の役割を改めて認識させる重要な内容が盛り込まれましたが、その目的の一つに健康サポート機能の強化があります。藤野先生は会長就任時に、調剤業務を専⾨とした薬局、つまり「調剤薬局」がビジネスモデル化していることに危機感をお持ちになり、医薬分業の本質は「健康サポート機能」であることを基本に据え、県民にとって薬局が日常的で不可欠な存在となるために強化すべき機能を役員と共に検討し、2015年に「福岡県版薬局グランドデザイン」を完成させました。薬局が目指すべき方向を示したこのグランドデザインは、他県の薬剤師会からの問い合わせを受けると共に、業界誌にも取り上げられるなど、大きな反響を呼びました。
今回の薬機法改正においても、健康サポート機能の強化が重要な事項として盛り込まれたことは、藤野先生の優れた先見性の証左であると思います。
先生には、会長を退任された現在も当会の顧問として後進の指導・育成にお力をいただいております。会員を代表して改めて感謝申し上げますと共に、先生の今後ますますのご健勝とご活躍を祈念いたします。
(福岡県薬剤師会会長・原口亨)
プロフィール
1975年福岡大学薬学部卒業。薬局勤務を経てふじの薬局経営。学校薬剤師。元福岡市薬剤師会副会長、元福岡県薬剤師会会長、元日本薬剤師会理事。福岡県薬業団体連合会会長、福岡県医療審議会委員、福岡県薬事審議会委員、九州地方社会保険医療協議会委員、福岡県学校保健会理事などを歴任。厚生労働大臣表彰、福岡県知事表彰などを受賞。2016年に藍綬褒章授賞。
赤松 路子先生の横顔

このたび、赤松路子先生が2021年度日本薬剤師会賞ご受賞されましたこと、心よりお祝い申し上げます。
赤松先生のご功績をあげればきりがありませんが、先生は、それまでほとんど実態がなく名ばかりの団体であった神戸市薬剤師会を00年に先生が会長に就任されるや瞬く間に数々の実績をつまれ、09年には兵庫県薬剤師会に先駆けて、神戸市薬剤師会を一般社団法人に改編し、初代会長に就任されました。
兵庫県薬剤師会においては、12年4月に女性薬剤師として初めて当時の社団法人兵庫県薬剤師会の会長に就任され、13年4月、兵庫県薬剤師会初代会長就任後は、当時の兵庫県病院薬剤師会会長の橋田亨先生との緊密な連携のもと、16年4月には兵庫県病院薬剤師の皆様を兵庫県薬剤師会のお仲間に迎えすることができました。このことは兵庫県薬剤師会会員にとって無形の財産になることと確信いたしております。これらのことは赤松先生の的確な決断力、卓越した指導力なくしてなし得なかったことであります。
また、このような公務のかたわら、先生は地域のかかりつけの薬局開設者として、医薬分業にも早くから取り組まれ、まさに地域の健康サポート薬局の先駆けとして常にわれわれ後輩に範を示してこられました。これからも兵庫県薬剤師会の相談役として引き続きご指導いただきますと共にご健勝にてのますますのご活躍をご祈念申し上げます。
(兵庫県薬剤師会会長・笠井秀一)
プロフィール
1968年武庫川女子大学薬学部卒業。住吉赤壁薬局経営。元学校薬剤師。元神戸市薬剤師会会長、元兵庫県薬剤師会会長。元日本薬剤師会代議員。元日本薬剤師会一般用医薬品委員会、薬剤師養成教育に関する特別委員会、職能対策委員会地域保健検討委員会、総会議事運営委員会、組織・会員委員会、年金委員会委員。兵庫県医療審議会委員、兵庫県薬事審議会委員、社会福祉審議会委員などを歴任。旭日双光章、厚生労働大臣表彰、兵庫県知事表彰などを受賞。
村松 章伊先生の横顔

2013年度から村松章伊先生が愛知県薬剤師会の会長を務められた2期4年間。細身のお身体からよくこれだけのエネルギーを出せるものだと感心させられるほど、日本薬剤師会の理事や常務理事を兼任されながら、先生はリーダーとして本会の大きな事業を牽引してこられました。
18年に完成しました新会館建設事業においては、「県民に発信し、県民に貢献する公益性の高い施設であり、薬剤師会の象徴となる施設」のコンセプトのもと15年の基本構想・計画から17年の工事着工まで陣頭指揮をされ、3階建て約600坪の新会館の建設に大きく貢献されました。
16年10月には「プロフェッションを追求する―Best and beyond」を大会テーマとした第49回日本薬剤師会学術大会の大会運営委員長として大会を成功裏に導かれました。
15年4月に愛知県が開設した「あいち健康の森薬草園」においては、開園当初から本会が指定管理者のグループの一員として関わることにご尽力されました。本会が運営する3ヘクタール余りある本薬草園は、多くの県民が健康やくすりについて楽しく学べる場となっています。
14年には「妊娠・授乳サポート薬剤師養成講座」を県委託事業から本会独自事業として組み入れられました。妊娠・授乳中の女性の医薬品に関する疑問や質問にきちんと向き合い、的確な判断ができる薬剤師の養成を続けています。
先生は、2期4年間で、これら多くの事業を完成あるいは道筋をつけられると、後は後輩に任せるからと惜しまれながらご勇退されました。
このたび、村松章伊先生が日本薬剤師会賞を受賞されますことを心よりお祝い申し上げますと共に、先生におかれましては、今後とも一層ご活躍されますことを祈念申し上げます。
(愛知県薬剤師会会長・岩月進)
プロフィール
1970年東京薬科大学薬学部卒業。村松薬局経営。元豊橋市薬剤師会理事、元愛知県薬剤師会会長、元日本薬剤師会常務理事。元日本薬剤師会学校薬剤師部会幹事。日本学校保健会常務理事、愛知県学校薬剤師会会長、愛知県学校保健会副会長、愛知県医療審議会委員、愛知県薬事審議会委員、愛知県防災会議委員などを歴任。現在、愛知県薬剤師会顧問、愛知県学校薬剤師会名誉会長。文部科学大臣表彰、愛知県知事表彰などを受賞。
佐々木 孝雄先生の横顔

佐々木孝雄先生がこのたび栄えある日本薬剤師会賞を受賞されますことを心よりお祝い申し上げます。
佐々木先生は1998年に宮城県薬剤師会理事に就任され、2002年から常任理事、08年から副会長、さらに12年から19年まで会長として、強固な信念のもとに豊富な識見と卓抜な手腕を発揮し、本会の円滑な会務運営に多大なるご尽力をいただき、現在は本会の顧問としてご意見をお伺いしております。
11年、第44回日本薬剤師会学術大会を宮城県で開催する予定で準備しておりましたが、3月11日の東日本大震災に伴い、大会の開催は中止せざるを得ませんでした。そのような状況においても、先生はその豊かな発想と行動力を生かし、被害が最も甚大だった気仙沼・南三陸地区における地域医療の復旧に向けて、いちはやく足を運び、薬剤師の職能を発揮するべく活動を行いました。
宮城県との災害協定に基づき薬剤師班としての救護所・仮設診療所での調剤業務、避難所を巡回し被災者の健康相談やお薬手帳の確認、仮設薬局の開局など被災地の復旧支援に尽力されました。
また、この震災の経験を踏まえ、ライフライン喪失下の被災地での医薬品の供給を可能とする医薬品供給車両「モバイルファーマシー」を独自に企画し、開発および製作を全国に先駆け着手しました。
これにより次の災害時には速やかに宮城県から薬剤師班を派遣し、被災地域の医療チームの一員として支援活動が行える仕組みを整備した功績は誠に偉大であり、本会の活動・運営に大いに貢献されました。
先生のますますご健勝とご活躍を心より祈念申し上げます。
(宮城県薬剤師会会長・山田卓郎)
プロフィール
1982年京都薬科大学卒業。病院勤務を経て一桝新生薬局開設、今年勇退。元栗原薬剤師会会長、元宮城県薬剤師会会長。元日本薬剤師会代議員。元日本薬剤師会総会議事運営委員会委員、一般用医薬品委員会委員、医薬品情報評価検討委員会委員、会館建設特別委員会委員、薬局薬剤師部会幹事。宮城県公害衛生検査センター理事長、宮城県学校保健会副会長、宮城県地域医療情報センター評議員などを歴任。厚生労働大臣表彰、宮城県知事表彰などを受賞。
内山 宣世先生の横顔

内山宣世先生が2021年度日本薬剤師会賞を受賞されますことを心よりお祝い申し上げます。
内山先生は、1998年に埼玉県薬剤師会理事に就任され、その後副会長を経て、2012年から15年までの2期4年間会長としてご活躍されました。内山先生は、地元商工会会長、埼玉県商工会連合会副会長を務められており、理事就任当初は二足の草鞋を履いて活動していました。その卓越した指導力と薬剤師としての豊富な知識と経験を生かし、本会の発展に大変貢献をいただきました。特に、会員相互の交流・連携、薬剤師としての技術・知識の向上を図るため新たに青年部会を発足しました。
13年には、公益法人制度改革に伴い一般社団へ移行し、初代会長として尽力され、さらに国が推進している在宅医療・介護に薬剤師が積極的に関与するため、地域における無菌調剤の実習や緩和ケアなどの講習会を開催するなど薬剤師の職の向上に努められました。
内山先生は、常に会の運営に使命感を持って取り組まれ、先生が提唱した「顔の見える薬剤師」については、県民向けに実施した「健康フェア」のほか、埼玉新聞に「薬、薬剤師に関するQ&A」「薬のはなし」というシリーズ記事の掲載などPR活動に取り組まれました。
先生が退任されたときの言葉「薬剤師は、町で一目置かれる『町の科学者』になることだ」を胸に刻み、今後の会の運営に努めてまいります。
先生のご健勝と今後の一層のご活躍を心より祈念申し上げます。
(埼玉県薬剤師会会長・斉藤祐次)
プロフィール
1960年明治薬科大学卒業。とらや薬局を経営。元東埼葛薬剤師会会長。元埼玉県薬剤師会会長。元日本薬剤師会代議員。埼玉県医療審議会、地方薬事審会などの委員を歴任。埼玉県知事表彰、厚生労働大臣表彰、文部科学大臣表彰を受賞。2001年黄綬褒章、06年旭日双光章受賞。
廣部 満先生の横顔

このたび、廣部満先生が栄えある2021年度日本薬剤師会賞を受賞されましたこと、心よりお祝い申し上げます。
廣部先生は、02年に福井県薬剤師会の副会長として6年間、本会の多岐にわたる事業に携わられ、08年から14年までの3期6年間会長としてご活躍されました。先生は、優しく親しみやすいお人柄に加え、高い指導力を持ち合わせており、薬局・薬剤師を取り巻く環境の変化や薬剤師業務の多様性に対応するため、幅広い経験と知識を有する役員と共に、数多くの課題に取り組み成果を上げられました。
一部となりますが、顕著なご功績を紹介しますと、薬学教育6年制に伴う薬局・病院での長期実務実習開始のため、受け入れ体制を整えると共に、実務実習認定指導薬剤師の養成に努め、北陸地区調整機構等、関係機関と連携の上、より質の高い実務実習を実現されました。
さらに、公益法人制度改革による法人移行の際には、各方面との折衝を重ね、本会の円滑な会務運営に多大なるご尽力を賜りました。
また、日本薬剤師会においては、予備代議員および薬局薬剤師部会幹事を10年間務められ、薬局の将来を見据えた体制の見直しや課題検討、薬局グランドデザインの再構築等に携わられました。
廣部先生におかれましては、今後ともご健勝で一層ご活躍されますことを祈念申し上げます。
(福井県薬剤師会会長・角野雅之)
プロフィール
1973年星薬科大学卒業。剤盛堂薬品を経て広部薬局経営。元福井県学校薬剤師会会長。元福井県薬剤師会会長。福井県医療審議会委員、福井県学校保健会副会長、福井県献血推進協議会委員などを歴任。北陸信越薬剤師会賞表彰、福井県知事表彰、厚生労働大臣表彰などを受賞。