内情報の相互運用実現‐日本事業拡大へ

アリスグローバルは、AIを基盤としたテクノロジー企業だ。ライフサイエンス分野において新製品の開発から市場投入までのプロセスに革新をもたらし続けている。最近では統合プラットフォームであるLifeSphere Unifyをリリース。安全性、メディカルアフェアーズ、規制、品質といった医薬品開発領域のデータとプロセスを一元化し、業務効率の向上とコンプライアンスの徹底、イノベーションの促進を実現した。日本市場での需要拡大を受け、現在国内における事業拡大に注力している。
LifeSphere Unifyは、220以上の企業・組織に導入され、安全性・メディカルアフェアーズ・規制・品質などの全部門にわたるデータとプロセスの部門横断的な統合を実現した。ユーザーは規制遵守の徹底、業務効率の向上、業務モデルの根本的な変容というメリットを享受でき、さらに基盤となるAIエンジンであるNavaXにより、生成AIやエージェント型AIなどの最新技術をワークフローに直接適用させ、常に進化するテクノロジーをシームレスに活用できる。
LifeSphere Unifyの市場での必要性について、日本法人の社長であるクリシャナ・ゴパル・ダス氏(写真中央)は、「規制情報の管理と品質管理の分野の急速な変化」を理由に挙げる。これらの分野は研究開発費の約25%を占め、コスト効率向上が大きな課題であり、データ量の増加、常に変化する規制への遵守、グローバル化への対応が迫られている。
特にグローバル化は、日本を含むグローバルなプロセスの一元化により一貫性と効率性の確保が不可欠となっている。製薬企業の業務は各部門が相互に連携はしているが、一部には非効率さも残る。LifeSphere Unifyは各業務を一つのプラットフォームにまとめることで、社内情報の相互運用性を実現し、的確なアクションを簡単に対応できるようにする。
導入は大きなプロジェクトになりそうだが、長澤浩営業統括本部長(写真右)は「まずはLSMV(Multi Vigilance)を導入いただいている顧客に、薬事システムLS Regulatoryをご提案し、その際に将来のコスト削減のためにもLifeSphere Unifyを提案していきたい」と話す。
円滑かつ成功裏の導入支援にも力を入れる。その任務を担うのが戦略アドバイザーの久保田健氏(写真左)。大手国内製薬会社で国際的なPV実務の経験もある。「サクセスフルなインプリメンテーションには導入に向けたプロジェクトが大事。導入の価値を最大化できる社内体制の構築、手順の整理も鍵となる」と説明する。
そこで課題となるのはローカライゼーション。日本固有の規制遵守について久保田氏は「根本的に、日本と米国で提供される情報は同じ基準を満たすべき。しかし実際の規制要件は異なるため、フォーマット、集約方法、スケジュールに差異が生じる。当社のAIを活用したソリューションはローカライズ負担を軽減する」。長澤氏は「私たちは日本のお客様への貢献に焦点を当てている。グローバル展開には統一されたプラットフォームが必要不可欠だ」と話す。
ダス氏は読者に向け、「技術は前例のない速度で進化しており、人間の専門知識とのシナジーが、あらゆる複雑さを解決するために不可欠。われわれは技術的な支援を通じてこれらに対処できる」とメッセージを送る。
アリスグローバル(LifeSphere Unify)
https://www.arisglobal.com/ja/lifesphere/