日本臨床栄養協会は、消費者に対して保健機能食品、サプリメント等について専門的観点から個人個人の栄養状態を評価し、適切にアドバイスできる「NR・サプリメントアドバイザー」の育成および認定事業を行っている。その資質向上のためのレベルアップセミナーが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のためウェブ配信として、来年2月末まで配信している。様々な専門分野で活躍する全10人の講師による講演は、好きなタイミングで聴講でき、アドバイザーでない非会員にも有意義な内容となっている。
同協会では、「消費者が適切かつ安全に保健機能食品等を摂取するためには、正しい栄養の知識が消費者に理解されることが重要」として、医師、管理栄養士、薬剤師および医療関係者(栄養関連の学生、販売者も含む)が連携し、消費者啓発をするため、事業の一つとして日本サプリメントアドバイザー認定機構を業界に先駆けて設立した。
その後、2012年4月からは国立健康・栄養研究所養成の栄養情報担当者(NR)事業が同協会に移管統合され、新たな資格「NR・サプリメントアドバイザー」となった。認定者は薬局・ドラッグストアをはじめ保健機能食品等を販売する店舗、製造販売会社のお客様相談室、消費者センター等の相談機関、保健所や保健センターなど幅広い職域で活動している。
レベルアップセミナーは、NR・サプリメントアドバイザーの更新単位になっているほか、栄養相談専門士(LENC)、健康食品管理士、食品保健指導士、総合健診指導士・総合健診業務管理士の更新時単位にもなっている。今年度内容は次の通りで、計5グループの構成(各90分×2演題の組み合わせ)となっている。
▽グループ1=[1]健康長寿のメカニズム(東京大学医学部附属病院糖尿病代謝内科五十嵐正樹)[2]時間を主軸とした健康へのアプローチ(国立研究開発法人医薬・基盤・健康研究所吉村英一)
▽グループ2=[1]アンチエイジングと栄養(京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学講座内藤裕二)[2]保険薬局における薬剤師と栄養士の連携~糖尿病患者へのアプローチ(新潟薬科大学薬学部社会薬学研究室兼健康推進連携センター富永佳子)
▽グループ3=[1]口腔摂食嚥下機能を意識した食支援(東京大学医学系研究科イートロス医学講座米永一理)[2]食品の栄養や健康に関する表示制度(昭和女子大学食健康科学部管理栄養学科調所勝弘)
▽グループ4=[1]サプリメントアップデート2021(東海大学医学部、医療法人財団百葉の会銀座医院久保明)[2]更年期女性の心身の変化と栄養(小山嵩夫クリニック河端恵美子)
▽グループ5=[1]日常に活かすリハビリテーションのエッセンス(常葉大学健康科学部栗田泰成)[2]アンチドーピングにおけるサプリメントの位置づけ(国立スポーツ科学センタースポーツメディカルセンター上東悦子)
費用(1グループにつき)は日本臨床栄養協会会員、健康食品管理士、食品保健指導士が3100円、非会員・一般が5100円。なお別途決済手数料220円が必要。詳細は同協会サイト(https://www.jcna.jp/seminar/)