|
アガリクス(学名アガリクス・ブラゼイ・ムリル、日本名ヒメマツタケ、カワリハラタケ)の栽培及びアガリクス製品の製造販売を手がける岩出菌学研究所(津市)、エス・エス・アイ(東京都中央区)、協和ウェルネス(東京都中央区)、ホクトメディカル(長野市)の4社が発起人となり「アガリクス・ブラゼイ協議会」が発足した。アガリクスに関する安全性・有用性に関する情報提供と研究・普及・振興活動、公正な販売倫理指針の明確化などを主な目的とし、9月頃から会員募集を開始し、年内を目処に第1回総会を開催する予定。
アガリクスをめぐっては、数々の製品が登場する中で「原料供給元も販売会社も特に統一した基準を持たずに、各社の自主基準まかせの状態にあった」(同協議会)ことに加え、昨年は某企業による薬事法違反や、アガリクス商品における発癌プロモーション作用に関する厚生労働省の発表もあり、国民の不安感・不信感が増していた。
こうした状況の改善が急務と考えた4社が主幹事となり、食品のヒト試験受託・食品成分分析で定評のあるTTC(東京都渋谷区、社長山本哲郎氏)、金沢大学発のベンチャー企業で、バイオテクノロジーに基づいた食品・医薬品素材の研究開発を手がけるバイオセラピー開発研究センター(東京都港区、豊田剛史代表)をアドバイザーに迎え、協議会設立に向けた準備を進めてきた。
発起人の4社を含め、各社が自主基準という形の中で安全性に関する試験・管理を行ってはいたが、「いくら1社だけが声高らかにアガリクスの安全性を訴えても、国民には届いていないのが実態」(SSI竹口雅之取締役)で、協議会では各方面の学識経験者を顧問に迎えるなどして、まず安全性の担保とトレーサビリティの確保、様々な意味での規格基準作りを最重要課題に取り組みを展開する予定。竹口氏は「行政や各種団体と協議、連携を行う中で、より良い形でアガリクスが正しく理解され、真の意味での社会的公共性を得られるような活動を目指したい」としている。
今後に関しては「アガリクスは現在も研究途中の素材であり、どこまでいいのか悪いのかというエビデンスの部分も突き止めていくことも必要。協議会は中立公平な立場で情報提供をし、また販売倫理についての指針も明確化していく。会員は事業者と個人を対象に考えており、事業者については最終製品の安全性試験のようなハードルを設けていく方向。協議会は会員数や規模でなく、安全性を担保できる企業だけで構成していく考え」(バイオセラピー開発研究センター豊田代表)、「健康食品は一部の不的確な製品による報道で、市場全体に影響が及ぶケースが多い。客観的な立場での各種試験を通じ、アガリクスの健全な発展・振興に向け支援していきたい」(TTC山本社長)としている。
アガリクス・ブラゼイ協議会の事務局はバイオセラピー開発研究センター内に置かれ、電話03・5537・3810、FAX同3820。