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【遠言近言】はじめての新入生を迎えて、薬学部の6年制移行雑感‐星恵子

2006年4月17日 (月)

星恵子(聖マリアンナ医大客員教授、昭和薬科大学教授)

 新学期を迎え、ガイダンスなどであわただしかったのも一段落。薬学部は6年制に移行してはじめての1年生を迎えました。今年の新入生は6年間学ぶという自覚が備わっているせいか、落ち着いた雰囲気の学生が多いといった感想が聞かれます。それに引き換え、教職員の方が緊張気味です。

 さて、薬学部を受験する場合、受験科目にある理科はイコール化学で選択の余地がありません。

 一方、医学部では、理科2科目が選択されます。しかしながら、昨今、生物の代わりに物理を選択する学生が多くなりました。どちらの学部も、直接、人体に関わる学問を学ぶわけですから、たとえ高校で学ぶ生物が、医学薬学に直結する生物とはかけ離れていても、入学時にはある程度の生物の知識が必要と思われます。特に薬学部の学生は生物の知識がほとんどない状態で入学してきますから、大学では生物を一から教えなければなりません。

 そこで、基礎的な生物の知識を身に付ける目的で、一定の基準を満たしていれば合格とするような試験を、薬学部でも医学部も課すのがよいのではないかと思います。

 大学生の学力低下がいわれていますが、卒業論文を読んでいて実感します。主語と術語がちぐはぐだったり、内容以前の問題が多すぎます。ベストセラーとなっている「国家の品格」の著者である藤原正彦先生の「祖国とは国語」に、「ゆとり教育」について批判的なことが書かれていますが、学力低下は、この「ゆとり教育」にも一因しているかも知れません。

 以前、親しくしている中国の先生にお子さんの教育について聞いたことがあります。日本の中学・高校生にあたる学年ですが、朝6時45分前には学校に到着して、自習(50分)、8時011時50分まで授業、13時半016時20分まで授業、17時半018時半まで自習、19時021時まで知識強化訓練、帰宅して1時間程度の宿題、といった具合です。とにかく、ひたすら勉強です。子供への負担が大きいと中国では社会問題になっているそうですが、ゆとりが過ぎる日本の学校教育も問題ではないでしょうか。その分、塾が盛んですが・・・。

 薬学も医学も詰め込み教育ではなく“自分で考える”、また、人が対象であるから、他の学部以上に“情緒を養う”教育が必要です。新学期を向かえ、私も気持ちを新たにして学生の教育にあたりたいと思っています。




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