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米バイオ大手の「ギリアド」がCV社買収‐アステラスの敵対買収に障壁

2009年03月13日 (金)

 アステラス製薬が敵対的買収を提案している米CVセラピューティクスは12日(現地時間)、同業の米バイオ企業「ギリアド・サイエンシズ」による買収に合意したと発表した。買収総額は約14億ドル(約1370億円)で、ギリアドはCVの発行済み株式を1株当たり20ドルで買い取り、完全子会社化する。ギリアドによる買収は、アステラスが提案していた1株当たり16ドルを上回るもので、アステラスとCVの攻防は、ギリアドによる買収合意という思わぬ展開を迎えた。

 ギリアドは、1987年にカルフォルニア州フォスターシティーに設立されたバイオ医薬品企業で、従業員は約3400人。HIVや肝炎など、アンメットニーズ領域に焦点を当てた革新的新薬の研究開発を進めており、主力製品に抗HIV薬「アトリプラ」「バイリード」などがある。2008年度の売上高は53億ドル(約5170億円)と世界でも大手のバイオ医薬品企業となっている。

 今回の買収合意を受け、CVのルイス・ランゲCEOは、「われわれはギリアドの提案が、株主に価値を与える説得力のあるものと満足している」とコメント。一方、同日にCVは改めて「アステラスの提案は過小評価で、株主にとって最善ではない」として拒否する声明を発表し、取締役会は株式公開買い付け(TOB)の入札に参加しないよう推奨している。

 アステラスは昨年、米国市場における循環器領域の強化を目的に、狭心症治療薬「ラネクサ」をはじめ、心疾患系薬の研究開発に強いCVの買収を提案してきたが、CVは一貫して拒否する姿勢を示していた。

 そのためアステラスは2月27日、1株当たり16ドルの現金による敵対的買収に踏み切ったが、同業のギリアドによる買収という思わぬ展開で決着することになった。ただ、今後アステラスがさらにTOB価格を引き上げる可能性もあり、敵対的買収の行方は予断を許さない状況が続くものと見られる。

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