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【中医協薬価専門部会】「薬価維持特例議論」進展なし‐業界説明を疑問視

2009年3月19日 (木)

 中央社会保険医療協議会・薬価専門部会は18日、日本製薬団体連合会が提案する薬価維持特例を柱とした薬価制度改革案について再び議論した。業界側は、薬価維持特例を導入するメリットや、財政影響について説明したが、支払・診療両側からは、維持特例によって確実に革新的新薬の創出が進み、ドラッグラグ解消や未承認薬の開発に結びつくのかを疑問視する意見が相次いだ。新たに部会長に選出された遠藤久夫委員(学習院大学経済学部教授)も、「部会長としてではなく、一委員の意見」と断った上で、「今のままの議論では、やや不確かな感じがする」と述べ、患者が得る便益の説明不足を指摘するなど、議論は進展しなかった。

 業界側は、宿題になっていた特許・再審査期間中の先発品の薬価を下げない薬価維持特例を導入した場合、どのようなメリットがあり、医療保険財政にどう影響するかについて説明。

 患者に対するメリットとして、前倒しされる収入を製薬企業の革新的新薬創出や未承認薬の開発に振り向けることで、ドラッグラグの解消や世界に先駆けた新薬の提供につながることや、業界を挙げて未承認薬の開発促進を図るほか、中医協で各製薬企業の取り組みの進捗状況について検証することを提案した。

 財政への影響では、2010年度に制度を導入し、12年度に政府目標である後発品数量シェア30%を実現すれば1595億円の削減効果があり、17年度に40%に届いた場合、3368億円が見込まれるなどの試算を示した。

 その上で、仮に政府目標に到達できなかった場合、「薬価維持特例導入を前提として、その財政影響や10年度、12年度の薬価改定の影響を勘案した上で、既収載品の薬価において一定程度対応することを考慮する」とし、長期収載品の特例引き下げを示唆する提案をした。

 これに対し、山本信夫委員(日本薬剤師会副会長)が、「特例値引きしか思い浮かばないが、他の方法があるのか、考えがあるなら示すべき」と説明を求めたが、業界側は明言を避けた。

 また山本委員は、“後発品参入の阻害要因”の可能性が指摘されている配合剤が相次いで承認されたことを例に挙げ、「製薬業界全体で後発品の使用促進に取り組む一方で、後発品が拡大しにくい環境を作っているのではないか」と述べ、特許切れ間近の医薬品に剤形追加し、延命措置を図る先発企業の姿勢を問題視した。

 これに対し、長野明専門委員(第一三共)は、「先発企業が後発品への切り替わりを防御することはない」と明言。欧米では新薬として承認されているケースが多く、「世界の潮流。配合剤が先発企業による“後発品つぶし”とは理解されていない」と説明した。

 しかし、山本委員は、「いまは国内の議論をしている。世界的な潮流という説明では理解しがたい」と続け、「先発品を守ると誤解を受けるような商業活動は検討してほしい」とした。

 さらに、禰宜寛治専門委員(武田薬品工業)が、配合剤について「市場性があり、患者ニーズがある。使いやすいという評価も得ている」と付け加えたが、山本委員は、「だとしたら、そのデータを示すべき」と述べ、国内での使用実態が分かる資料の提出を求める場面もあった。

 遠藤部会長も「世界的な潮流では、後発品つぶしではないという説明に対する理由として、しっくり来ないのでは」との考えを示した。

 また遠藤部会長は、薬価維持特例について私見として、「15年間も価格を維持するというのはかなり異常だと思う」と述べると共に、“異常”な状況を作り出す制度を認めてもらうには、「それなりの便益がヘルスケアの受益者になければダメ」と指摘。その上で、薬価維持特例の対象となる医薬品として、▽革新性があり、なおかつ日本で最初に上市や申請されたもの▽国際共同治験を行い、国内で上市されたもの――を挙げた。




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