積水化学は、米検査薬企業「アメリカン・ダイアグノスティカ・インク」(ADI)を買収すると発表した。子会社の積水メディカルが展開する検査薬事業で海外基盤を強化する。今後、血液凝固領域に強いADI社の製品群と販売網を活用し、北米での検査薬事業を拡大していく方針。
積水メディカルは、主力の検査薬事業で生化学、血液凝固、糖尿病、感染症、先端技術の5領域を重点化しているが、さらなるグローバルでの成長には、米国市場への本格参入が必要と判断。検査薬事業の海外基盤を短期間で構築するため、血液凝固領域に強いADIの買収を決断した。
これにより、積水メディカルは、ADIの販売網を活用し、血液凝固領域を中心とした検査薬について、北米での販売強化を目指すと共に、国内では同社の販売網を活用し、ADIの検査薬を日本、アジアで拡販していく。さらに、ADIが保有する血液凝固領域、癌領域の検査薬、積水メディカルの検査薬を補完することで、競争力を強化したい考え。
同社は、昨年7月、医療部門の薬物動態事業でも米ゼノテックを買収しており、海外基盤の強化を急いでいた。
ADIは、1982年に設立された検査薬企業で、従業員は36人。昨年6月期で売上高は約10億円。