ズーは、薬局業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進や対人業務の充実を目指した新製品のクラウド型電子薬歴システム「ホルトノキ」を、8月19日から販売開始予定であると発表した。
DXの推進が本格化し、現場業務を効率化するシステムやクラウド化によるBCP(事業継続計画)の強化が強く求められる一方、2015年に厚生労働省の「患者のための薬局ビジョン」で提唱された対物業務から対人業務へのシフトという方針に合わせ、薬剤師の対人業務への評価に対する比重が増加しており、薬局から「服薬指導をはじめ対人業務のレベルを底上げしたい」との声が聞かれていた。
そこで同社は、パソコンとタブレットのどちらでも使える形で、適切な内容に服薬指導を標準化し、その内容を素早く薬歴に反映可能なクラウド型電子薬歴システム「ホルトノキ」を開発した。
ホルトノキは、処方内容のチェック機能によって、指導文の候補を表示。薬剤や患者の情報をもとにした共通の指導文を参考に服薬指導を行うことで、経験やスキルの異なる薬剤師の指導内容を標準化できる。
また、指導内容に合わせてテンプレートを順番に選択し、選択結果をワンボタンで転記すると、自然な形で薬歴に記載される。テンプレートについては、細かいカスタマイズもできる。
レセプトコンピュータの豊富な開発経験がある同社の強みを生かし、独自の処方鑑査機能を搭載。特に小児の処方箋における数量・日数チェックに力を入れており、年齢や体重で異なる分量を計算して、調剤ミスを防ぐことができる。
このほか、患者の待ち時間や対応状況を見える化して、薬局内で共有することができるほか、タブレットのカメラやブルートゥース接続のリーダーを用いて薬剤のGS1コードを読み取り、処方内容とピッキングした薬剤が合っているかを機械的にチェックすることができる。
同社は「ホルトノキはクラウド型の電子薬歴システムにとどまらない」として、今後ホルトノキを中心に、処方入力やレセプト請求、在庫管理、本部、会計など、様々な機能を追加していく予定である。