日本OTC医薬品協会はインテージと共同して行った「OTC医薬品に関する消費者調査」の結果をまとめた。それによると、OTC医薬品の販売制度変更に対する認知度は約4人に1人と低く、「OTC医薬品」や「スイッチOTC」という言葉自体も、認知されていない現状が明らかになった。
調査は、OTC医薬品の販売方法変更に伴う課題を明らかにすることを目的に行われたもので、消費者のセルフメディケーションや薬に対する意識と取り組み、薬の購入状況、改正薬事法の浸透状況などについて調べられた。OTC薬協では今回の結果をベースにして、半年後、1年後にどのように変わっていくのかを継続して調査していく予定だ。
調査は、2月27日から3月4日の6日間、Webサイトを介して実施された。対象は、全国の15069歳の一般消費者で、1307人から有効回答が得られた。
それによると、「OTC医薬品」という言葉を「知っていた」は15・7%にとどまり、「知らなかった」が84・3%と大半を占めた。「スイッチOTC」の認知率はさらに低く、わずか3・8%と、言葉自体も知られていない状況が見られている。
消費者がOTC医薬品を認知したり、コンタクトをとるツールとしては、「テレビCM」が46・3%で最も高く、次いで「テレビ番組」の33・7%、「ドラッグストア・薬局・コンビニエンスストア・スーパー」の17・6%、「新聞や雑誌の記事」の15・6%の順だった。
また、OTC医薬品の販売制度が変わることに関しては、「知っていた」のは26・1%(男性25・5%、女性26・6%)で、消費者の理解を進めていく必要性が示唆される結果となった。
一方、セルフメディケーションについてみると、言葉の認知率は18・1%と、やはり低い結果だった。男女別では、男性の15・7%に対し、女性は20・2%でやや高かった。
それを反映してか、セルフメディケーションの浸透性を、医療機関利用の増減でみると、「変わらない」が65・6%で最も高く、セルフメディケーション推進が反映されていない結果となった。「増えたと思う」は19・1%で、「減ったと思う」は15・3%だった。
具体的に、「体の具合が少し悪いかなと感じたときの対処」について聞いたところでは、「特に何もしないで様子を見る」が57・5%と半数を超えた。「一般用医薬品で自分で対処する」は36・1%、「大事をとって医師の診断を受ける」が6・4%だった。いずれの年代でも「特に何もしないで様子を見る」割合が最も高かったが、20040代女性では「一般用医薬品で自分で対処する」の割合が4割を超えていた。
ただ、セルフメディケーションの必要性に関しては、30・8%が「必要だと思う」とし、これに「やや必要だと思う」を加えると約75%を占めた。その一方で、実際にセルフメディケーションに取り組むかについては、「自信がある」は14・4%にとどまった。「やや自信がある」を加えても約55%で、必要性だとは感じていても、実行には自信がもてない結果となった。
その問題点としては、38・1%が「自己診断に自信が持てない」を挙げ、次いで「適切な対処方法の判断に自信が持てない」(37・7%)、「市販の一般的な薬に関する情報や知識がない」(28・5%)、「自己対処の判断に自信が持てない」(25・9%)を挙げている。