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主な海外製薬企業の’06年上半期決算

2006年08月16日 (水)

◇ファイザー

 米ファイザーの2006年上半期決算は、特許切れを起こした主力品の影響で、総売上高は0・4%減で、ほぼ横這いの234億8800万ドルとなった。純利益は大幅減益となった前年の反動もあって73%増の65億2600万ドルとなった。

 医療用薬売上高は、0・6%減の220億9900万ドル。高脂血症治療薬「リピトール」は5%増、COX‐2阻害剤「セレブレックス」が18%増といった主力品の伸びに加え、新薬である神経性疼痛治療薬「リリカ」が5億ドル近く売り上げ、複数分子標的型抗癌剤「スーテント」も投入となったが、他の主力品が伸び悩み、成長を打ち消す形となった。

 6月に米国で特許切れとなったSSRI「ゾロフト」は9%減となったほか、米国特許が切れている抗生物質「ジスロマック」は66%減、抗てんかん薬「ニューロンチン」は27%減だった。

◇サノフィ・アベンティス

 仏サノフィ・アベンティスの06年上半期決算は、一部主力品がジェネリック(GE)の影響を受けたものの、売り上げ上位にある主力製品群が二桁成長で支え、売上高は141億1600万ユーロで、7・7%の伸びを確保した。純利益は33・6%増の39億6400万ユーロとなった。

 医療用薬売上高は2・1%増の130億3600万ユーロ。GEの影響を受けたアレルギー治療薬「アレグラ」は57・4%減、糖尿病治療薬「アマリール」は33・0%減が影響したものの、売上高上位にある低分子ヘパリン製剤「レベノックス」、抗血小板剤「プラビックス」、抗癌剤の「タキソテール」「エロキサチン」などは二桁成長で全体を支えた。上位15製品群のうちGEの影響を受けた2品目を除くと15%の成長率となる。

 ヒト用ワクチン事業は44・4%増の10億0800万ユーロを売り上げ、増収に貢献した。

◇グラクソ・スミスクライン

 英グラクソ・スミスクラインの06年上半期決算は、喘息・COPD治療薬など主力品やワクチン事業が好調で、売上高は13%増の116億2400万ポンド、税引き前利益は21%増の40億6700万ポンドとなった。

 医療用薬売上高は14%増の100億6600万ポンド。主力品である呼吸器疾患に用いる「セレタイド」「アドベア」が12%増、糖尿病に用いる「アバンディア」は26%増、主力領域の抗うつ剤など中枢神経領域も15%増と、全体を支えた。

◇ノバルティス

 スイス・ノバルティスの06年上半期決算は、主力の循環器、癌領域の戦略品が二桁成長だったことやGE部門の好調さと買収効果で、売上高は15%増の174億8300万ドル、純利益は17%増の36億6900万ドルとなった。

 医療用薬(GE部門除く)事業の売上高は、8%増の107億5100万ドル。循環器領域では、主力のA?受容体拮抗型降圧薬「ディオバン」が13%増、配合剤の降圧剤「ロトレル」は26%増と増収に寄与。

 癌領域では、筆頭の慢性骨髄性白血病などの治療薬「グリベック」が16%増、骨転移治療に用いる「ゾメタ」は3%増、閉経後乳癌に用いる「フェマーラ」は28%増だった。

 GE部門は76%増の28億8100万ドルを売り上げた。コンシューマーヘルス部門は4%増の37億2400万ドルだった。

◇アストラゼネカ

 英アストラゼネカの06年上半期決算は、主力品の伸びにより、売上高は8%増の128億0500万ドル、税引き前利益は31%増の42億5300万ドルとなった。

 増収に寄与した主力5製品は、いずれも二桁増。PPI「ネキシウム」11%増、統合失調症治療薬「セロクエル」29%増、高脂血症治療薬「クレストール」48%増、抗癌剤「アリミデックス」34%増、配合喘息治療薬「シンビコート」24%増という状況だった。

◇ジョンソン・エンド・ジョンソン

 米ジョンソン・エンド・ジョンソンの06年上半期決算は、医療用薬事業の伸び悩みを医療機器・診断薬事業で支え、売上高は3%増の263億5500万ドル、純利益は13%増の61億2500万ドルとなった。

 医療用薬部門の売上高が114億ドルの0・5%増にとどまったのに対し、医療機器・診断薬部門は102億ドル、5%増となった。

 医療用薬部門では、ジェネリックの影響を受け慢性疼痛治療薬「デュラジェシック」(日本名「デュロテップパッチ」)が21%減、抗真菌薬群が2%減となった一方で、抗精神病薬「リスパダール」、関節リウマチ薬「レミケード」が約20%増、注意欠陥多動性障害治療薬「コンサータ」が14%増、偏頭痛予防剤「トパマックス」も15%伸びた。

◇メルク

 米メルクの06年上半期決算は、主力品の米国内外の特許切れをアレルギー治療薬「シングレア」や同社とシェリング・プラウが開発・販売している高脂血症治療薬「ゼチア」「バイトリン」の好調さでカバーし、売上高は111億8150万ドルで、3%の伸びを確保した。純利益は30億1930万ドルで44%増となった。

 主力品では、同社で最も売り上げのある高脂血症治療薬「ゾコール」は米国以外の落ち込みが大きく9%減だが、米国でも6月で特許が切れており、減少は加速しつつある。骨粗鬆症治療薬「フォサマック」は、米国内で10%増だったものの、他の市場でジェネリックの影響を受け3%減となった。

 しかし、「シングレア」は20%もの伸びを示したほか、「ゼチア」は38%もの伸びを示し、そこに「バイトリン」が新たに投入され、それぞれ9億ドル弱の売り上げとなった。

◇ロシュ

 スイス・ロシュの06年上半期決算は、主に主力の癌領域製品が牽引し、売上高は19%増の198億4900万スイスフラン(CHF)、純利益は37%増の45億4300万CHFとなった。

 医療用薬売上高は155億7700万CHFで、23%増。その中で癌領域は48%もの伸びを示し、同社で売り上げ上位にあるマブセラ(日本名「リツキサン」)は16%増、「ハーセプチン」「アバスチン」は倍増となった。そのほか「ゼローダ」は27%増、「タルセバ」は143%だった。また、抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」も62%もの伸びを示し、増収に寄与した。

◇ブリストル・マイヤーズ・スクイブ

 米ブリストル・マイヤーズ・スクイブの06年上半期決算は、売上高が1%増の95億ドル、純利益が10%減の14億ドルとなった。

 医療用医薬品事業の売上高は1億円増の75億5900万ドル。主力の高脂血症治療薬「プラバコール」が、ジェネリックの影響を受け25%減となったものの、売上高上位にある抗血小板用薬「プラビックス」が20%増、抗精神病薬「エビリファイ」が42%増、降圧薬「アバプロ/アバライド」が13%増、抗HIV薬「レイアタッツ」が33%増、抗癌剤「エルビタックス」が68%増となったこともあり、増収を確保した。

◇イーライリリー

 米イーライリリーの06年上半期決算は、主力品の売り上げ増、販売コストの低下などで売上高が6%増の75億8200万ドル、純利益は3倍以上の16億5700万ドルとなった。

 同社で最も売上高の多い統合失調症治療薬「ジプレキサ」が1%減となったものの、主力品の抗癌剤「ジェムザール」が5%増、インスリン製剤「ヒューマログ」は7%増、大うつ治療薬「シンバルタ」が2倍強の伸びを示し、売り上げを支えた。

◇ベーリンガーインゲルハイム

 独べーリンガーインゲルハイムの06年上半期決算では、COPD治療薬「スピリーバ」や降圧剤「ミカルディス」といった主力品の売り上げ増によって、売上高は17%増の53億ユーロ、営業利益は34%増の10億ユーロとなった。

 医療用薬事業の売上高は21%増の42億ユーロ。主力品の「スピリーバ」の売上高が55%増と増収に大きく寄与。そのほか「ミカルディス」が32%増、非ステロイド性抗炎症薬「モービック」が6・5%増、抗パーキンソン病薬「ビ・シフロール」が33%増となった。



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