第55回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会副会長
森昌平
宮城県薬剤師会理事
市ノ渡真史
調剤業務を通じて培ってきた薬剤師・薬局による患者の薬物療法における継続的なフォローアップや医療機関との連携については、医薬品医療機器等法の改正で調剤後のフォローアップの法的位置づけが明確化されたことや、2022年度調剤報酬改定における対人業務の評価の充実、医療機関との連携推進等により、さらなる期待が形となり示されてきた。さらに、7月に公表された「薬局薬剤師ワーキンググループのとりまとめ」においても、調剤後のフォローアップ強化等を通じて対人業務を充実させると共に、他職種や病院薬剤師と連携し地域における薬剤師の役割を発揮することがアクションプランに盛り込まれた。
分科会17では、今後、薬剤師・薬局が患者とどのように向き合い、継続的なフォローアップを充実させていくのか、また、医療機関との連携はどうあるべきかについて議論する。5人の演者による講演とその後の総合討論を通じて、薬剤師・薬局による、より良い薬物療法の提供のあり方を考えたい。
まず、基調講演として、内閣府食品安全委員会事務局評価第一課の紀平哲也課長から、「令和4年度調剤報酬改定と薬剤師へのメッセージ」と題して講演いただく。次に、宮崎県薬剤師会の青木浩朗常務理事から、「宮崎県における薬局薬剤師と医療機関の連携事例と課題」と題してお話しいただく。また、ハートエンタープライズ代表取締役/ハート薬局管理薬剤師の西島徹氏から、「調剤後のフォローアップに関する実施事例」と題して、薬局薬剤師による継続的なフォローアップの事例をお話しいただく。さらに、宮城県薬剤師会の手代木貴也理事から「慢性疾患患者への薬学管理の実際」と題して、かかりつけ機能を発揮した一元的・継続的管理についてお話しいただく。最後に、日本薬剤師会の有澤賢二理事から「医療機関、多職種との望まれる連携の在り方」と題して、医療機関とのさらなる連携推進に必要な事柄についてお話しいただく。
ぜひ分科会17に参加いただき、継続的なフォローアップのあり方と医療機関との連携のあり方について議論を深め、薬剤師・薬局が地域でさらに活躍するための一助となれば幸いである。
(市ノ渡真史)