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【第55回日薬学術大会】分科会の見どころ・聞きどころ 地域フォーミュラリの推進に向けて

2022年10月03日 (月)

第55回日本薬剤師会学術大会

座長
日本薬剤師会副会長
安部好弘
東北医科薬科大学名誉教授・客員教授
渡辺善照

 フォーミュラリは「患者に対して有効性・安全性・経済性などの観点から選択されるべき医薬品および使用指針」と定義されているが、院内フォーミュラリと地域フォーミュラリでは、その特性やあり方は大きく異なる。

 フォーミュラリの活用は、経済財政と改革の基本方針2021において、後発医薬品の使用促進との関連として明記されている。また、欧米諸国で実施されているフォーミュラリの仕組みは、推奨医薬品以外の処方に極めて抑制的な制限をかけており、わが国でも同様の結果につながるという懸念が大きな障害となっているのではないだろうか。地域フォーミュラリ推進に向けては、わが国の医療・保険等の制度を踏まえた上で、標準的な薬物療法を実施するためのツールとして明確に位置づけることが必要であろう。

 本分科会では、厚生労働省医薬安全対策課長の中井清人氏に医薬品の適正使用に薬剤師がいかに関わるべきか基調講演していただく。薬剤師に対する叱咤激励があるのではないかと期待をしている。続く講演では、日本フォーミュラリ学会副理事長の近藤太郎氏から、医師の視点から地域フォーミュラリのメリット・デメリットについて、大阪府八尾市薬剤師会会長の中野道雄氏から八尾市で実践された地域フォーミュラリの経緯や成果等を踏まえた考察をお示しいただく。

 全国には1700余りの市区町村、700余りの地域薬剤師会が存在する。地域フォーミュラリが進展するためには、先進事例や学会等の成果を活用し、効率的な導入と継続的な運用を行うための基盤の標準化なども必要となろう。本分科会がその一助となるよう議論を深めたい。

 (安部好弘



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