第55回日本薬剤師会学術大会
座長
宮城県薬剤師会常任理事
小坂浩之
松島病院薬剤部長
宮城昭一
高齢化社会の問題の中で健康寿命が重要な課題として明るみになっているフレイルとサルコペニアであるが、薬局、薬剤師による関わりやあり方について、学びおよび行動起点としたい分科会である。
まずは、基調講演として宮城県薬剤師会顧問で前会長の佐々木孝雄先生から、日常汎用される多くの医薬品がフレイル・サルコペニアの促進因子として作用する可能性についてお話ししていただく。さらに、フレイルの評価指標などに基づいて患者観察を行い、その体調変化と服用薬剤との関連性を考察することで、保険薬局の日常業務の中でも可能なフレイル・サルコペニアの進展抑制についてもお話しいただく。
また、フレイル、サルコペニア対策には、様々な起因理由があることからも、多職種連携がより重要な要素となる。そこで栄養の重要性、栄養管理が適切な状態にないと改善は困難となることから、薬局における栄養管理についての関わりについて管理栄養士の塩野崎淳子先生にご発表いただく。
栄養と合わせて筋力の維持改善においても運動療法は言うまでもなく大切な要素となる。薬剤師が様々な患者対応の中でスクリーニングによる早期発見と対策への役割を担うことの可能性を、理学療法士の取り組みと合わせて山田実先生からご発表いただく。
その後に薬剤師の実際の取り組みとして、仙台市薬剤師会のワーキンググループによる発表として、参加薬剤師の知識と意識の向上、参加薬局の具体的対応、地域への関わり事例等の内容について、ワーキンググループを代表して関口総司郎先生にご発表いただく。
分科会全体として、既に対応を求められている保険薬剤師の服用中の患者へのフォローという視点、薬剤師だからこそ可能な今後の総合的アセスメントのあり方についても、触れていくことができる内容となるので、ぜひご来場いただければと思う。
(小坂浩之)