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【医薬翻訳におけるAIの現状と課題】八楽

2022年10月17日 (月)

誰でも手軽に後編集が可能‐使いやすいデザイン追求

坂西氏

坂西氏

 八楽は、製薬企業を含めた1000社以上の企業で採用されるAI自動翻訳プラットフォームサービス「ヤラクゼン」を提供している。坂西優社長は「ヤラクゼン」について「プロ翻訳者だけでなく、製薬企業内の研究者やMRなどのビジネスマンでも、自動翻訳と柔軟なポスト・エディット(編集・確認作業)を一気通貫で行えるツールとなっている。自身で翻訳が不十分だと思えば、翻訳会社への依頼もツール上で行え、翻訳サービスのプラットフォームとして活用できる」と説明。同サービスのメリットを強調する。同社エバンジェリストの立教大学異文化コミュニケーション学部の山田優教授は、「医師などが自動翻訳後、ポストエディットを行うとエラーが少ないケースも多い。製薬関係者などが、自身の持つ専門的な知識と自動翻訳を掛け合わせながら翻訳を進めることに一定の有用性があると思う。それを支えられるツールとなっている」と解説する。

 同ツールは2015年10月に「自動翻訳+人間によるポスト・エディット」「圧倒的な使いやすさ」を特色としてリリースされ、現在は資料・提案書の作成、取引先とのメール対応、自社ウェブサイトの文章など、様々な用途・場面の翻訳で使用が進められている。

山田氏

山田氏

 自動翻訳のエンジンには、ヤラク翻訳βのほか、Google翻訳やDeepLなどが標準的に搭載されていて、使用するエンジンを社内メールから承認申請用資料まで、様々な文書に合わせて選択することが可能だ。

 製薬企業内の文書には機密事項が含まれるものも多くあるが、同ツールでは翻訳データの二次利用を禁止しているため、翻訳した文書のデータが漏洩するリスクはない。安全に自動翻訳した後に、ツール内ですぐに自分自身の手でポスト・エディットできる。

 使いやすさの面では、シンプルで見やすいUIや、感覚的に押しやすいタブやカーソルの配置、翻訳の邪魔にならないデザインが追求されている。自動翻訳をする際は、翻訳したい文書ファイルを画面にドラッグ&ドロップするだけで翻訳が行われるようになっていて、複雑な操作を重ねる必要がない。

 また、ツールには辞書機能があり、専門用語や企業独自の言い回しなどを登録しておくと、自動的に登録した内容に対応した翻訳が行われるようになっている。社内で辞書は共有されるため、医薬品名称や承認申請に関わるデリケートな文法を間違いなく翻訳することが可能となっている。

 さらに、同ツールはクラウド型のソフトであるため、いつでもどこでもアクセスが可能となっており、ハイブリットワーク化が進む製薬企業の社員にとっても使いやすい製品になっている。

 坂西氏は今後の展開について、「近年増えている翻訳と語学学習を結びつけた新たなサービスの展開も視野に入れている」と述べる。山田氏は「翻訳と語学学習を結びつける動きは昨年から急激に増えつつある」と説明し、翻訳と語学学習がつながるサービスの需要は決して低くないことがうかがえる。語学学習は継続的に行う必要性があるが、翻訳ツールを使って効率的に行うことができれば、時間や手間の短縮につながる。坂西氏は、それらのサービスを通じて「全世界の人々が自分自身でポストエディットや翻訳、外国語に触れる体験を提供したい」と今後の抱負を語った。

八楽
https://www.yaraku.com/ja/



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