薬剤師がその職能を本格的に活用され始めて40年、100年を一区切りと考えるとまだ折り返しにも至っていない。
これから60年の道のりで求められるのは積極的な変革、そして薬事や医療全般に対する広い視野と理念であると著者は説く。
書名にも込めた思いに触れ、これからの薬剤師・薬局としてのあり方を今一度、考えてみてはいかがだろうか。
各章の概要
<第一章 総論>
薬局、薬剤師を取り巻く環境や法規制度の変遷、歴史的背景などから浮かび上がる現状の課題や論点(地域医療への貢献、他職種との連携や情報共有、薬局が患者のファーストアクセスの場となるためには…など)を挙げ、その課題解決に向けた方法を提言する。
薬剤師本来の目的を見定め、今後さらに前進するために必要なことが見えてくる。
<第二章 未来を見据えた薬局の実践>
薬局では業務の多くが機械化、自動化され、さらに薬剤師以外による調剤補助業務も認められるようになっており、そこには当然、設備投資が必要になる。さらに地域住民のための設備投資というものも薬局には必要である。
こうした設備投資について先駆的に取り組んでいる飯島裕也氏が具体的な実例を踏まえ薬局の経営、薬剤師の配置、業務にどのような影響を与えるのかを記載。
<第三章 変化する薬局に薬剤師は対応できるか>
「薬局薬剤師」と「病院薬剤師」を比較しながらそれぞれの業務内容等について記載。
薬局や病院の薬剤師のもつ理念や問題意識を明らかにすること、薬剤師として業務をする中で生まれる悩み、矛盾を整理すること、そして、その中から得た答えを日々の業務を通じて多くの人々に有益な「知恵」として還元することといった薬剤師としての哲学や理念を説く。
目次
第一章 総論
1 薬局の現状と課題
2 地域における薬局の基本的な役割
3 調剤とはなにか議論が必要
4 対人業務ってなに?
5 薬剤師による疾病管理
6 調剤報酬における課題
7 薬剤師によるセルフメディケーションの必要性
8 地域のおける連携
第二章 未来を見据えた薬局の実践
1 なぜ設備投資が必要なのか
2 設備投資することで薬局はどのような地域貢献の実現が可能か
3 医薬品管理をIOT化することのメリット
4 設備投資により薬剤師の業務変化
5 投資するための経営的問題
6 これからの薬局のありかた
第三章 変化する薬局に薬剤師は対応できるか
1 視点を向けてみよう~私たちはどこを向いて仕事をしているのか~
2 病院薬剤師と薬局薬剤師
3 薬剤師よ、処(方箋)を捨てよ町へ出よう~地域社会との関りに一歩踏み出そう~
著者紹介
加藤 久幸(かとう ひさゆき)
1962年北海道生まれ。薬剤師。神奈川県大和市に雙葉薬局開設。
主な著書:「よくわかる!改訂版 薬局開設の手引き」、「薬局管理総論」
飯島 裕也(いいじま ひろや)
1980年京都生まれ。2004年東北薬科大学(現東北医科薬科大学)卒。
有限会社飯島・イイジマ薬局開設者。
高橋 信洋(たかはし のぶひろ)
1985年神奈川県生まれ、男ばかり3児の父。2010年早稲田大学社会学部卒、
2018年東京薬科大学薬学部卒。北里大学病院で勤務後、有限会社日の出薬局入社。
【著者】加藤 久幸、飯島 裕也、高橋 信洋
【判型・頁】四六判・264頁
【定価】1,980円(消費税込み)
【発行】2022年10月
ISBN978-4-8408-1600-7 C3047
※ 送料:国内1カ所送付につき、重量5kg以下 660円、重量5kg超 990円