『この時代を生きた薬剤師の矜持』――日本薬剤師会元会長・山本信夫氏が語る、薬剤師としての半世紀
2024年に日本薬剤師会会長を退任した山本信夫氏が、自身の薬剤師人生を振り返り、薬剤師会での活動、薬機法改正、中医協・社保審、そしてFIP(国際薬学薬剤師連合)との関わりを中心に語った回顧録。
薬剤師として、そして薬剤師会の役員として、激動の時代を駆け抜けた著者が、後進へのメッセージとして綴った「足跡」は、医薬分業制度の定着という国策の実現に立ち会った者としての誇りと責任が込められています。
未来の薬剤師たちへの「Butterfly Effect」となることを願って書かれた一冊です。
≪はじめに≫より抜粋
薬剤師会では様々な仕事をさせていただいたが、その全部を網羅するなど、夢のまた夢、「これだけは……」と絞った結果、薬機法改正、中医協・社保審、そして、今ではライフワークとなったFIP(国際薬学薬剤師連合)との関わりの3つを中心にまとめることにした。1986年に東京都薬剤師会の理事に指名されて以来、2024年6月に日本薬剤師会会長を退任するまでの間、薬剤師会関係はもとより、政界、薬業界、行政、学会等々、数えきれないほどの方々と公私にわたりご厚誼を賜った。その方々全てに、この本の中に登場して頂けなかったことがとても心残りでならない。
薬剤師になって半世紀を超えた現在、これまでの時間を振り返って、「はて、自分は薬剤師として、薬剤師会の役員として、一体何をしたのだろうか?」と思い返し、その一部分でも文字として残しておくことで、これからを担う後輩諸氏の、「少しは役に立つかもしれないぞ?」などと説教めいた想いを抱きながら、10年間の会長時代にはいつも、殊更に明確な発言を避けてきた、「なんとも、食えない」日薬の山本が、ようやくその鎧を外し、裃を脱いで、少しだけ「本音」で語らせて頂いた。したがって、看板を背負っていない気楽さから、「思い」と「想い」が先走って、話があちこちと迷走していたり、時間軸が前後したりしていることについては、何卒お許しを願いたい。
そんなまとまりのない、独善的な文章を、披瀝するのはいささか気恥ずかしい気もする。しかし、日本にも欧州と同じように「医薬分業制度を定着させる」とした国策が実質的にスタートした瞬間から、その真っ只中をひた走り、その夢を現実のものと出来た時代に立ち会えた薬剤師として、わずかでもその「足跡」を書き残しておくことは、血を吐くような先達の闘争の歴史に報いること、次世代の新たな夢にバトンを繋ぐ役割と責任の果たし方であり、「この時代を生きた薬剤師の矜持」なのだ、などと勝手に確信し、筆を起こす事にした。
目次
1 薬機法・薬剤師法の改正
2 FIP:世界薬学薬剤師連合
3 社保審医療部会/チーム医療検討会
4 中央社会保険医療協議会
5 政治活動
【著者】山本 信夫
【判型・頁】四六判・267頁
【定価】1,760円(消費税込み)
【発行】2025年11月
ISBN:978-4-8408-1666-3
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