適応拡大など一変承認も報告
薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は2月25日、塩野義製薬のカルバペネム系抗菌薬「フィニバックス」の新用量を審議し、了承した。また、報告品目では、乳癌治療薬「ハーセプチン」の胃癌への適応拡大なども了承された。3月下旬に予定している薬事分科会に報告する。
審議品目
▽フィニバックス点滴用0・25g、同キット点滴用0・25g(塩野義製薬が製造販売):有効成分はドリペネム水和物。高用量(1g×3回/日まで)での使用を可能とする新用量医薬品。再審査期間は4年。
これまで、同剤の1日最大用量は1・5gだったが、重症・難治性感染症に対して、1日3gまで使用できるようにした。この用法・用量は、世界では承認されていない。類薬はメロペネム水和物など。
報告品目
▽ハーセプチン注射用60、同150(中外製薬が製造販売):有効成分はトラスツズマブ(遺伝子組み換え)。HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌の効能・効果を追加する、新効能・新用量医薬品。優先審査品目。再審査期間は、残余の今年4月3日まで。 治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対して、他の抗悪性腫瘍剤との併用で、成人に対して1日1回、トラスツズマブとして初回投与時には8mg/kg(体重)を、2回目以降は6mg/kgを90分以上かけて3週間間隔で点滴静注する。
なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
▽メロペン点滴用バイアル0・25g、同0・5g、同点滴用キット0・5g(大日本住友製薬が製造販売):有効成分はメロペネム水和物。一般感染症の重症・難治性感染症に対する、1日最大用量の変更を追加する新用量医薬品。再審査期間は、残余2014年1月19日まで。
これまで、重症・難治性感染症に対する1日用量は最大2gだったが、今回、1回1gを上限として、1日最大3gまで増量可能とする。
1日3gの最大用量は、米国、英国、イタリアなどで承認されている。類薬は、ドリペネム水和物など。