厚生労働省は、睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン(GL)をまとめた。GLは、既存のGLが1988年7月に通知されてから、新たな作用機序を持つ薬剤が開発されるなど、臨床試験を行う上での国内体制の整備、臨床試験に関する知識の普及、規制当局における医薬品審査体制の整備、GCPの改正等、新薬の開発環境が大きく変化したことを踏まえ、作成された。
GLでは、試験実施医療機関について、不眠症の診療経験が豊富な臨床医が臨床試験に参加することが望ましいとし、実施医療機関の選定は、ICH-E9ガイドライン(「臨床試験のための統計的原則」について)を踏まえ、各施設が一定以上の被験者を確保し、極端に被験者数の少ない施設がないよう配慮することが必要としている。
不眠症は、65歳以上の高齢者でも多く認められるため、ICH-E7ガイドライン(高齢者に使用される医薬品の臨床評価法に関するガイドライン)およびICH-E7ガイドラインに関するQ&Aを踏まえ、有効性・安全性を検討するための臨床試験を実施することが必要となる。
また、国際共同治験を実施する場合は、07年9月に通知した「国際共同治験に関する基本的考え方について」のQ&Aを参照し、全集団での結果と日本人集団での結果に一貫性が得られるよう計画すべきとしている。