武田薬品と大阪大学は、ナノ粒子ワクチンの実用化に向けた応用基盤の構築を目的に、3年間の共同研究を開始する。阪大が開発したナノ粒子の基盤技術と、武田の研究開発基盤や製剤化技術などを組み合わせ、ナノ粒子をアジュバントとしたワクチンの実用化を目指す。
武田は、1月にワクチンビジネス部を設立し、製品導入や新規技術の確立を通じたパイプラインの拡充を進めているが、今回その一環として、阪大に共同研究講座を設置。ナノ粒子をアジュバントとしたワクチンの実用化に向け、橋渡し研究を開始することになった。
共同研究では、阪大が開発したナノ粒子を武田に提供し、武田がワクチン抗原を用いて剤形の最適化、薬物動態試験などを行い、ナノ粒子ワクチンのメカニズムを解明する。研究費は1億5000万円で、武田が全額負担する。
武田は、ワクチン抗原を高効率で担持することができ、優れた免疫誘導効果を示すナノ粒子をアジュバントに応用することで、既存ワクチンの最大化や新規ワクチンの創出を目指す。