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夢なき組織で

2007年04月06日 (金)

◆3月30日、厚生労働省医薬食品局の成川衛審査調整官が翌日付の退職を前に省内各所であいさつしていた。大体、相手はのけぞって驚く。それも本心から。同氏は1991年入省、若手薬系技官ではエース中のエースだからだ
◆同氏の去った後、同僚、上司は腕を組み、そして頭を抱えた。「将来の薬務行政は誰が支えるのか」との嘆きも。同氏は、北里大学で医薬開発を専攻する教員となる。昨年も若手エース級の小野俊介氏(89年入省)が退職した。今は東京大学の教員だ
◆なぜエース級人材の退職が続くのか。ある幹部は「人は減る、予算は増えない。新しいことをしようとすると、予算はなんとか取れても、人は付かない。仕事は過重になり、深夜まで。優秀な人が能力を生かせる職場だろうか」と自問する。天下り規制で「上の人が辞めなくなり、口ばかり出されるようになった」との不満も耳にした
◆複数の職員は偶然同じことを口にした。「夢がなくなった」。公務員の裁量は低くなり、能力ある人には狭い組織らしい。2人をよく知るOBは「大海に出て、大きくなって将来の薬務行政を指導してほしい」。エールが切なく聞こえた。



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