日本医師会の宮川政昭常任理事は25日の定例会見で、糖尿病治療薬であるGLP-1作動薬がダイエット目的で不適切処方されている実態に、「糖尿病治療のために使用されるべき貴重な医薬品の一部が、個人輸入や美容クリニックで痩せ薬として不適切に使用されている実態があることを憂えている」と懸念を表明した。「健康な人にダイエット目的で使うのではなく、糖尿病患者さんにしっかりと使える体制をこれからも確立していきたい」と述べ、不適切処方に対する規制が可能か検討を進める考えを示した。
GLP-1製剤をめぐっては、ダイエット目的による不適切処方が原因で供給不足となっており、日医が実施した緊急調査でも入手困難事例が院内処方で308件、院外処方で648件に上る。日医は2020年から、厚生労働省に対して、適応外使用が常態化している医療機関への納入を制限するなど、医薬品の適正な流通確保を要望しているものの、歯止めがかかっていないのが現状。
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