オーガナイザー
東阪和馬(阪大高等共創研)
吉江幹浩(東京薬大薬)
胎盤は、胎児への栄養・酸素供給や異物排除などの機能を担うことから、妊娠の成立・維持、胎児の健やかな成長には、胎盤の正常な維持と発達が不可欠である。そのため、胎盤形成不全や胎盤機能異常は、妊娠高血圧症候群や胎児発育不全につながるだけではなく、将来的な疾患リスクになることが示唆されている。しかし、次世代の健康に影響を及ぼす胎盤機能異常の評価、胎盤形成メカニズムの理解は未だ十分には進んでいない。
本シンポジウムでは、胎児環境の制御に働く胎盤に着目し、その機能・構造形成の理解、胎盤機能不全がもたらす病態の解明や治療戦略の開発に向けた基礎的・臨床的研究に取り組んでいる研究者が、最新の研究成果を紹介する。さらに、胎盤学を通じた今後の創薬研究への展開、ならびに次世代の健康確保・健康増進について論じる機会としたい。
(東阪和馬)