テルモは7月1日、ICタグ搭載のプレフィルドシリンジ『ニトログリセリン静注25mg/50mLRFIDシリンジ「テルモ」』を全国の医療機関に向けて販売する。同製品は、9月販売予定のICタグの読み取り可能なスマートポンプとの連携が可能。同社は、これらの製品を通じ、院内の安全な薬剤投与の実現をサポートしていく。
ニトログリセリンは手術時の低血圧維持、手術時の異常高血圧の救急処置、急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)や不安定狭心症の治療に使われる薬剤。通常、医師の指示をもと看護師が自身のIDと、患者ID、処方IDを確認(3点認証)の後に薬剤をポンプにセットするが、最終的にポンプに薬剤をセットする際は、目視による確認を行っているため、誤った薬剤のセットや、注射器の交換間違いなどによる誤投与につながるリスクがある。
今回発売する同製品は、ICタグが搭載されており、ICタグの読み取り機能を持つシリンジポンプに取り付けると、事前にポンプに登録された薬剤ライブラリと照合して自動でポンプに薬剤の情報が読み込まれるため、薬剤誤投与、単位間違え、過剰・過少投与などの医療事故防止への効果が期待される。
同社は今後も、ICタグ付きプレフィルドシリンジのラインアップを特に周術期に使用される薬剤で拡大していくことで、医療機器と医薬品を併せ持つ同社独自のソリューションを提供し、患者の安全と、医療従事者の負担軽減の「標準化」を目指す。
なお、同社によれば、周術期の安全な薬剤投与を目的としてICタグをプレフィルドシリンジに搭載しているのは、国内初だという。今後発売予定のポンプも、RFIDで薬剤の情報を認識できる機能を備えたスマートポンプとして国内初の販売となる見込みで、今後は、このICタグ付きプレフィルドシリンジと、それを読み込めるポンプの仕組みを広め、薬剤の安全な投与の取り組みを広げていく。