藤田医科大学と日立ハイテクは8月から、共同研究講座の成果である「採血呼出し時間予測AIシステム」を、藤田医大病院で本格的に開始する。同システムは、AIを活用し採血の呼出し時間を予測し、患者に通知することで、待ち時間の有効活用、採血待合室の混雑緩和、患者の心理的負担の軽減などを実現する。
両者は、2020年10月1日に共同研究講座「先端臨床検査技術開発講座」を開設し、AI・ロボットを病院臨床検査部へ導入する研究を行っている。この研究の一環として、体外診断における省力化および高度化に向けた先進技術の導入を推進している。
同システムは、患者が病院の採血室で受付した際に、AIが採血呼出し時間を予測して患者へ通知するシステム。23年9月に採血受付票に呼出し時間を印字する実証実験を開始し、「±4分以内での予測精度が94%」という高い精度を維持している。
患者は呼出し時間が分かることで、待ち時間の過ごし方や場所を選ぶことができるため、滞在場所の分散が進み、待合室の混雑が緩和される。また、採血受付窓口担当者への待ち時間に関する問い合わせがほぼなくなり、受付業務の負担が軽減される。
藤田医大を運営する藤田学園では、医療従事者の負担軽減と業務の効率を図り、質の高い医療を持続的に提供することを目的に、病院内でのAI/ICTの導入を推進。これによって、医療の質・患者サービスのさらなる向上に取り組んでいる。
日立ハイテクは、血液検査を中心とした体外診断システムなど、データとテクノロジーを通して、世界で毎年延べ10億人の健康な暮らしの提供に貢献している。今後も、医療現場の業務改善や患者サービス向上に取り組む医療スタッフに寄り添い、Lumadaを活用した課題解決、および環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現を目指していく。
藤田学園と日立ハイテクは、両者の強みを生かした研究を推進し、より安全・安心な医療の提供と医療現場における最先端のニーズに対応するソリューションを提供していく。
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