【オリンパス】8施設とTXI観察法で共同研究‐大腸病変発見率向上の可能性

2025年07月29日 (火)

 オリンパスは25日、国立がん研究センター中央病院ほか計8施設と行った、内視鏡システム「EVIS X1」の搭載技術「TXI(Texture and Color Enhancement Imaging:構造色彩強調機能)」を用いた観察法による大腸腫瘍性病変の発見技術の有効性を検証するための、前向き多施設共同ランダム化比較試験の検証結果を報告した。

 TXIは、癌などの消化器疾患の診断・治療等に使用される内視鏡システム「EVIS X1」に搭載された独自技術の一つで、粘膜表面の構造や色調を強調することで病変部の観察性能向上に寄与する機能。

 TXIによって通常光観察下での粘膜表面の「構造」「色調」「明るさ」の三つの要素を最適化することで、通常光観察では見にくい画像上のわずかな色調や構造の変化が内視鏡検査中にリアルタイムで強調され、胃癌や大腸癌などの病変部の観察性能の向上に貢献することが期待されている。

 同ランダム化比較試験は、2023年5月から同年10月まで、国立がん研究センター中央病院、筑波大学病院、国立がん研究センター東病院、静岡県立静岡がんセンター、昭和大学横浜市北部病院、東京慈恵会医科大学病院、群馬大学病院、東邦大学医療センター大森病院の8施設が参加した。使用機器は、内視鏡システム「EVIS X1」、大腸ビデオスコープ「CF-EZ1500DL/I」。

 今回の検証の結果、TXI観察法は通常光観察と比較して大腸ポリープやポリープの一種である平坦型病変の発見率が高いことが示唆された。平坦型病変は「見逃し癌」のリスクと考えられている。TXI観察法を用いた大腸内視鏡検査によって、大腸癌の見逃し予防に寄与することが期待される。

 また、早期大腸癌である腫瘍性病変の平均発見数に関しては、TXI観察法・通常光観察法ともに同等の病変発見能を示した。

 腫瘍性病変の発見数に差がなかった理由として、今回の試験を実施した8施設全てが最新の内視鏡システムを使用したことが考えられた。最新の内視鏡システムであるEVIS X1システムにはTXI含め複数の画像強調内視鏡技術が搭載されているが、そのほかにも最新の内視鏡CF-EZ1500DL/Iを用いることで高画質化、焦点範囲の広い内視鏡画像を得ることが可能になった。

 また、専用モニターを用いることで4K高画質化が可能になり、従来の通常光観察法でも、より鮮明な内視鏡画像を観察することが可能になり、従来の通常光観察法であっても高い腫瘍性病変発見率が示された可能性がある。

 なお、今回の検証結果は、消化器分野の国際的学術誌である「Gastroenterology」に掲載された。


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