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命の灯を見つめて

2025年11月12日 (水)

◆取材で、ある女性癌患者のエピソードを聞いた。診断から3年。「子供とコンサートに行った」「下の子はもうすぐ小学校。私、頑張っています」という闘病中の言葉が紹介され、「(希望患者に)余命を伝えるのは、時間を大切にしてほしいから」と医師は語った
◆インフォームド・コンセントという言葉が浸透するようになったのは1990年代で、それまでは家族のみへの告知が中心だった
◆思い出すのは、子供の頃に観た伊丹十三監督の映画「大病人」(93年)だ。紫色の点滴は抗癌剤という噂を聞きつけ、入院中の主人公は妻に「お前、俺に何か隠していないか」と詰め寄る。かき氷のシロップのような鮮やかな点滴の色が、今でも目に焼き付いている。当時の無季言子は思ったものだ──“大人”になるのは怖い
◆しばらく前、仏具店に立ち寄った時のこと。小さな「ドラえもん」提灯を見かけた。人の死に「○歳向け」など本来ないはずだ。それでも、あの愛らしい提灯がゆらめく場面は、どうしても目をつぶりそうになる。



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