オリンパスは25日、エンドルミナルロボティクスの開発を加速するため、米国Revival Healthcare Capital(リバイバル社)と契約を締結したと発表しました。両社は、最初の投資として6500万ドル(約96億円)を共同出資し、新会社「Swan EndoSurgical」(スワン・エンドサージカル社)を設立し、将来の消化器医療における革新的なロボットシステムの開発に取り組んでいく。両社が事前に合意したマイルストーンを達成し、期間が満了した場合、両社の出資は最大合計4億5800万ドル(約676億円)に達する可能性がある。
エンドルミナルロボティクスは、より多くの医療従事者が革新的な手技を安全に実施できるようにすることで、患者にとって安全で回復の早い治療の選択肢を広げることを目指すもの。
消化器内視鏡検査は、消化器癌などの病変の早期かつ正確な診断に貢献してきた。また、診断に加え、消化器内科医などの専門医が、内視鏡から挿入した処置具を用いて、癌切除などの内視鏡治療を行っている。しかし、従来のマニュアル操作による内視鏡検査や治療には限界があり、術者の高い技術力が求められるため、世界的に広く普及しているとは言えないのが現状。
消化管内で容易に操作でき、アームを柔軟に動かせるエンドルミナルロボティクスの開発は、侵襲性の高い外科手術に代わる新たな治療の選択肢をもたらし、より多くの患者が安全かつ効果的な治療の恩恵を受けられるようになることが期待されている。
今回の契約締結によって、この革新的な技術が消化管内の病変や腫瘍に対して、従来の治療法と比べて早期に、安全かつ効果的な治療を行うことに貢献することを目指す。さらに、ほかの多くの疾患領域にも応用できる可能性を秘めている。
スワン・エンドサージカル社は、米国テキサス州に本社を置き、豊富な経験を持つ専門家によるリーダーシップチームが立ち上げを主導し、ロボティクスプラットフォームの技術開発や臨床開発、商業化を進めていく。
オリンパスのボブ・ホワイト社長兼CEOは、「このパートナーシップは、エンドルミナルロボティクスを進化させるという当社の戦略を前進させる重要なマイルストーンです。医師の手技の可能性を広げ、消化器医療を再構築する上で重要な本協業を開始できることを大変嬉しく思います。この分野において、今後、より多くの患者さんのアウトカム向上に貢献する革新的な治療が可能になると期待しています」とコメントしている。
なお、リバイバル社は、メドテック業界に特化した投資会社。革新的なイノベーションパートナーシップを得意とし、経験豊かなオペレーターと投資家のチームが、投資に加え、リーダーシップ、リソース、そして業界に関する深い洞察を提供することで、企業の成長戦略をさらに支援している。
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