京都大学とリガク・ホールディングスのグループ会社であるリガク、日本電子は4日、三者がお互いの強みを活かし、共同して研究開発、人材育成を行うための協定を締結し、新たなオープンイノベ―ションの組織を設置することになった。協定期間は2028年3月31日まで。
新たに設置されるリガク/日本電子―iCeMSイノベーションコア(RIGAKU/JEOL-iCeMS Innovation Core)は、京大物質-細胞統合システム拠点(iCeMS|アイセムス)の解析センター内に設けられる共同研究組織となっている。
このコアでは、極微小結晶の電子線回折を中心とした革新的な分子構造解析法を活用する。具体的には、XtaLAB Synergy-ED(クリスタラボ シナジーイーディー:リガクの単結晶X線構造解析技術と、日本電子の透過型電子顕微鏡技術を結集した全く新しい電子回折統合プラットフォーム)などを用いた測定環境を整備し、新規材料の機能探索を加速させる。
これにより、基礎的な研究の推進、研究成果の社会還元、人材育成を目指し、産学連携による新しいイノベーション創出を推進していく。
オープンイノベーションによる物質科学の発展のための研究開発拠点として、アカデミアと産業界の連携によって発見された微結晶性材料を対象に、その構造と機能の関係性を解明し、新たな応用展開に向けた基盤を築くことを目指す。
京大の湊長博総長は、「この取組が、研究力強化、新たなイノベーション創出や優れた人材が生み出されることを期待している。また、その成果が三者のみならず、広くわが国の科学技術・産業基盤の礎となると共に、社会課題の解決に資するブレークスルーとなるべく京大としても尽力していきたい」としている。
また、日本電子の大井泉社長兼CEOは、「この取組によって促進された技術革新と、生み出される製品・技術を通し、ライフサイエンス・環境・エネルギーなど、多様な分野への応用研究を支え、科学の進歩と社会の発展に貢献していきたい」とコメントしている。
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