憲政初となる女性首相(第104代)が誕生したのが昨年10月21日で、同日に高市早苗政権が発足した。その後、12月16日には2025年度補正予算を成立させ、同26日に閣議決定された26年度予算案の審議が始まる通常国会召集日の1月23日のタイミングで衆議院が解散されて総選挙に突入した。
8日の投開票が終わってみれば、自民党単独で3分の2を超える316議席を獲得する圧勝の結果となった。高市氏は、第105代首相に選ばれて第2次高市内閣が発足した。米国のトランプ大統領は45代、47代であるから、いかに日本の首相が頻繁に替わっているかを示している。長ければ良いとというものでもないが、評価される一定の成果を上げるためには、ある程度の持続的な同一政権が望ましいだろう。
20日の施政方針演説では、官民連携による投資促進において「量子、航空・宇宙、コンテンツ、創薬などの17の戦略分野について、(中略)供給および需要の両面にアプローチする多角的な観点からの総合支援策を講じる。特に先端技術や成長が期待される分野の官民投資ロードマップについて、来月から提示していく」と言及した。
今回の選挙に向けた自民党の政権公約では、科学技術分野で、▽ゲノムデータ・創薬基盤の充実、医薬品や医療機器等の開発、国際協力、人材育成等の取り組みを進めると共に、グローバルヘルス戦略に基づき、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を目指す▽製薬産業をわが国の基幹産業と位置付け、創薬力の強化を図るため、創薬ベンチャーの実用化開発支援や抗体医薬品・再生医療等製品などのバイオ医薬品の生産体制の整備を推進する――を掲げている。ぜひ今政権で自らが掲げた公約の実現を願いたい。
再生医療等製品に関する最新の話題としては、19日にiPS細胞由来2製品が世界で初めて承認が了承され、大きな一歩を踏み出したことが挙げられる。今後、日本がiPS研究の先駆者としての確固たるポジショニングを確立して優位性を発揮し、患者の完治を最優先目的としつつも、副次的な結果としてこの領域の市場成長につながることを期待したい。
これから国民が高市政権に寄せる期待は大きいものになる。衆院議席の3分の2以上を占める自民・与党は、議会制民主主義で数という絶大な力を得た。憲法第59条2項によって、衆院を通過した法案が参院で可決されなくとも、衆院での再議決・可決が可能になることから、政府与党が提出した法案を全て可決する威力を持つ。
だが、同時にこれを乱発してしまっては国民から独裁政権との誹りを受ける危険性も持ち合わせており、安定した政権を続けていくための重い責任も抱えた政権である。国民との約束である公約等の実現に向けて、真摯に邁進してもらいたい。


















