NavaX、3割超の効率向上‐BPO支出を35%削減も

久保田氏
アリスグローバルは、ファーマコビジランス(PV)業務を支援する「LifeSphere Safety」へのAI活用を進めている。AI基盤「NavaX」による業務自動化に加え、複数領域のデータを横断的に活用する「クロスドメイン・インテリジェンス」の考え方に基づくデータインテリジェンス基盤「XDI」により、分散するデータを意味づけし、迅速な意思決定や新たな知見・インサイトの創出につなげる。
同社はこの1年を、ライフサイエンス分野のAI活用が可能性を探る段階から、大規模な実運用へ移る転換点と位置づける。NavaXは既に世界の大手製薬企業の本番環境で活用されている。同社によると、症例情報の取り込み業務で30%超の効率向上、95%超のデータ抽出精度、BPO支出の35%削減を実現し、規制遵守を支えながら具体的な投資効果を示したという。

長澤氏
AIの適用範囲も拡大した。同社が現在重点課題に挙げるのが、企業内に分散するデータへの対応だ。今年2月に発表したXDIは、特定のシステムに依存せず、データを1カ所に集約するのではなく、それぞれのシステムに置いたまま意味や文脈をそろえる。異なる業務領域やシステムにまたがるデータを意思決定に使えるインテリジェンスへ変換することで、個別に孤立したAI施策から部門横断の一体的な業務運用への移行を支援する。領域ごとに分かれたデータをつなぎ、効率化だけでなく、データの意味を読み解くことで、これまで見えにくかったインサイトの創出につなげる。
併せてNavaXを強化し、複雑な規制業務のワークフロー自動化や迅速な意思決定を支援するエージェント型AI機能も追加した。日本企業の中にも、エージェント型AIを早期採用した企業があるという。また、日本で実際に収集された有害事象データを用いた日本語AI機能の開発・検証も進める。国内規制や製薬企業の日常業務に対応しながら、安心してAIを導入・活用できる環境整備を進めている。
同社は今後、個別のAI機能を単独で用いるのではなく、複数の知的エージェントが連携する形へ発展させる。ガバナンスと透明性を確保しながら規制対象業務を自動化し、専門人材をより付加価値の高い業務へ振り向ける考えだ。
代表取締役の久保田健氏は、AIは新たな業務課題を生むのではなく、既存課題を解決するものでなければならないと強調する。適切な技術と強固なガバナンス、経験を持つパートナーの組み合わせが、規制対応への信頼を高めると見る。その上で、「日本での成功には、日本語データや国内の規制要件、日常の業務フローを理解するAIが必要だ」と話す。
また、長澤浩営業統括本部長は、日本市場に特化した技術と国内基盤への投資を継続し、専任チームによる導入から長期運用まで支援する体制を説明。今後も実務的なAI機能をNavaXに追加し、日本の製薬企業が抱える複雑な業務課題の解決を支援する方針だ。その上で、「目指すのは既存業務の自動化だけではない。情報と業務がつながる知的な運用環境を構築し、担当者の手作業時間を減らし、患者アウトカムの向上により多くの時間を振り向けられるようにしたい」と話す。
アリスグローバル(XDI)
https://www.arisglobal.com/ja/xdi-data-intelligence-cortex/




























