AI機能搭載システムに注力‐導入後のガバナンスに強み

アプデシュ氏
IQVIAは、AI機能を備えた安全性情報管理(PV)業務支援システム「IQVIA Vigilance Platform(IVP)」の導入拡大を進めている。安全性情報の急増や業務の複雑化が進む中、単なる業務自動化にとどまらず、AIが機能の質や精度を検証する「自己バリデーション機能」を核としたAIガバナンスモデルを備える点を最大の特徴として訴求する。
製薬企業のPV部門の人的負担やコスト負担は年々増大している。情報取得の源泉となるIT機器の多様化で医薬品の開発段階から市販後まで膨大な安全性データが蓄積され、1症例に含まれる情報量も増加しているからだ。

コラーナ氏
IVPは、こうした課題に対応するため、症例処理やデータ入力、症例経過報告のナラティブ作成、翻訳などの業務をAIで自動化する。音声の文字起こし、文書からのデータ抽出、データベースへの入力など、従来は担当者が時間をかけていた作業の効率化を図る。
またAI自らが、必要に応じて過去の類似症例や、その際の対応などを探し出し、評価支援を行う「エージェンティックAI」の考え方も取り入れ、担当者の業務負荷の軽減、迅速な意思決定を後押しする。
同社が他社と異なる特徴として強調するのは、AIシステムを常に正しく機能させるガバナンスモデルの存在だ。AIシステムは進化し続けるため、システムリリース前に機能検証して終わりではなく、導入後のガバナンスが重要になる。
その点、安全性テクノロジー・プラクティスリードのアプデシュ・ドサンジ氏は、IVPの最大の特徴は「自己バリデーション機能」にあると強調する。同氏は「過去はシステムありきのガバナンスが行われ、そのQCを人が行っていた。それでは効率が悪い」と指摘した上で、自己バリデーション機能を次のように説明する。
IVPでは、AIが抽出した各データ項目について「どの程度の確信度を持っているか」を数値で示し、データを人が修正したかどうか、修正内容も記録し、学習データに生かす。例えばAIが90%以上の確信度で抽出した項目に対して、人が修正を加えなかった場合、その結果の妥当性が裏付けられる。一方、修正が頻発する領域は改善対象として把握できる。こうして精度を継続的に評価できる。
この考え方は欧米規制当局が既に公表しているAI活用ガイダンスで求められる監視、結果に対する説明に沿ったものと、アプデシュ氏は説明する。
導入成果も顕著だ。ある海外大手企業では、約60カ国・地域で運用していた異なる業務プロセスをIVP上で単一のプロセスへ統合した。初回データ入力作業の精度は、人による一般的な水準である約80%から約98%へ向上。年間の症例処理数は40%超増加した一方で、担当者数を約50%削減しながら業務拡大を実現した。創出されたリソースはより高度なメディカルレビューなど高付加価値業務へ再配置された。
AI&テクノロジーソリューションズシニアディレクターのコラーナ・インダルディープシング氏は、「日本の企業ではAI導入に慎重な姿勢が見られる一方、業務負荷の増大を受け、既存のプロセスを見直さないといけないとの問題意識も芽生えている。そこでPV担当者のAIに対する懸念を払拭するIVPの導入を検討していただきたい」とメッセージを送る。
IQVIA(IQVIA Vigilance Platform)
https://www.iqvia.com/ja-jp/locations/japan/solutions-and-services/safety-regulatory-and-quality/safety-and-pharmacovigilance




























