統一基盤と業務別AI融合‐複雑なPV業務支える

明保能氏
Veevaは、AI時代の医薬品安全性情報管理(PV)業務の変革に向け、同社の統一基盤プラットフォーム「Veeva Vault」と高度なAIを融合したソリューションの開発・提供を推進している。業務量が増大するPV領域ではAI導入に関心が高まっている。一方で、厳格な規制環境の下で運用されるPV業務では、データの整合性や透明性、監査証跡をどのように確保するかが重要な課題となる。同社は、こうした課題に応えるソリューションの開発・提供を進めている。
アジア太平洋地域の戦略を担当するシニアディレクターの明保能満美氏は、「PVにおける自動化の目的は単なる作業効率化ではない。データの整合性や透明性、出力結果に至るプロセスを監査で安全に証明できるかという説明責任が重要だ」と強調する。
多くの企業では、症例処理に加え、文献管理やシグナル検出、PSMF(医薬品安全性監視システムマスターファイル)やRMPの運用管理など、それぞれ異なるシステムやデータ構造の下で業務が行われている。そのような環境下では、AI単体でデータの整合性と監査証跡を維持しながらシステム間を安全につなぐのは限界がある。
その結果、決定プロセスの追跡不能や、二重チェック・煩雑なバリデーションといった「見えにくい現場負荷」が生じ、運用の持続性に大きな課題を抱えることになる。
こうした課題に対し、同社は統一基盤である「Veeva Vault」をベースに、各特定業務のニーズに合わせて設計された目的別の「Veeva AI」機能によってプロセスを最適化する。
この仕組みは、確実なデータガバナンス(データの正確性・安全性・透明性を組織的に管理・保証する仕組み)と完全な監査追跡可能性を「Veeva Vault」により直接担保した上で、業務別の「Veeva AI」が稼働する。統一基盤があるからこそ、管理可能で拡張性と効率性を備えたAI活用が実現できるというわけだ。
この具体例の一つ目がVault内に直接組み込まれた「Vault AI」だ。4月のリリースを皮切りに、症例経過の自動生成や多言語翻訳などの機能を展開する。ユーザーの日常業務を支援し、手作業を削減して生産性を向上させ、担当者をより付加価値の高い業務へ振り向けることを可能にする。
二つ目が、自律的に作業を遂行する標準エージェントを備えた「Veeva Falcon」。Vaultに組み込まれたビジネスルールやセキュリティ要件を理解した上で、Vaultと一体となって機能する。データ構造、ワークフロー、セキュリティ、コンプライアンスの枠組みを理解し、業務全体の文脈を把握しているからこそ、複雑なPV業務プロセスを高度な専門性と高い正確性でスムーズに遂行できると同社は説明する。
明保能氏は、「データの正確性や安全性を守る厳格な統制ルールを組み込んだ強固なプラットフォームと、Vaultのルールを直接理解して機能するAIエージェント機能であるアシスタント型AI(Vault AI)およびタスク自律実行AI(Falcon)の双方を備えてこそ、PV組織は監査リスクを極小化しながら手作業の負担を削減できる。こうした統一基盤とAI機能を組み合わせた『Veeva Safety』は、PV領域における深い専門知識と高度なAI・自動化アーキテクチャを融合させることで、グローバル企業から中堅企業、CROに至るまで、今後のPV業務をより高度で戦略的なものへと進化させていく」と強調する。
Veeva(Veeva Safety)
https://www.veeva.com/jp/products/veeva-safety/




























